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A「……おうどんや」
誠也「なんや、嫌いやったん。
…普段、料理なんてせぇへんから。冷凍うどんくらいしか置いとらんくてな。
体調完全に戻ったわけちゃうやろし、丁度ええやろって思ったんやけど…」
A「ちがくて、うどんなんて久しぶりに食べるから。」
誠也「は、、、お前…普段なに食っとう、？」
末澤さんは怪訝な顔して尋ねきた。
うどん食べない生活が珍しいのは分かってるけど、家にいる時間もそこまで長くないし。
母親は荒れてるから、まったく掃除のできてないキッチンじゃ、私も母も料理なんて出来ない。
A「何って、、、スナックで提供してる軽食とか、コンビニ飯とか。」
誠也「‥‥はぁぁ、、、お前、だいぶ気ぃ緩んどるな、
……スナックで働いとるんや、」
A「…ぁ、」
誠也「ふは、そんな慌てた顔せんでも…
別に、お前のこと今からつまみだしたりせぇへんわ。
まぁ、食いや」
なんでこんなに優しくしてくれるのか、全然わかんないし、
あんなにバーにいること怒ってたのに、スナックで働いてること自体は嫌そうな顔はしたけど
すぐに咎められたりはしなかった。
流されるままに、のんびりしてしまってるけれど、末澤さんにどういう意図があるのか読めなくてちょっと怖かった
誠也「うまい、？」
A「…似てる、お母さんが昔作ってくれたおうどんの味と、、…甘めでおいしいです」
誠也「そーなんか、、、へ、甘い？」
もう母親はしばらく料理しなくなっちゃったけど、こうなる前は料理が得意。
…きっと、母は私のことを愛してくれていたし、風邪ひいたときにはよくおうどんを作ってくれてた
うちのおうどんはちょっとだけ、独特でおつゆに少しだけ砂糖を多めに入れている
だから、風邪ひいてたり、弱ってるときには甘いのが体に沁みて大好きだった
『Aー？甘くて美味しいでしょ！』
A『うー、、、ママ、、鼻詰まってるから味わかんない…』
『えー、そっかぁ、、また作ったるからね、早く治しな？』
A『…ほんとに？！がんばってなおす…！』
末澤さんの作ってくれたおうどんは少し甘めで、少し懐かしい。
誠也「…たぶん、それ塩と砂糖間違えて入れてもうたわ」
A「ねぇ、笑 感動して損したんだけど！」
…
誠也「…味が、似とう、、か。。」
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作者名：こひな | 作成日時：2023年9月23日 21時
