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A「元気、です。久しぶりにこんなちゃんと寝れました」
誠也「食欲は？」
A「ちょっとなら、ある…」
誠也「…そらええわ。なんか作ったるから、シャワー浴びて来ぃ。
ごめんな、さすがに昨日風呂までは面倒見たれんかったわ」
末澤さんに案内されると洗面台には、何畳分ですか？ってくらい大きな鏡と、高級スキンケアの数々。
…あ、メイク落としまである。メイクしそうには見えなかったけど。
A「末澤さんって何者…？」
誠也「……そんなに俺のことが気になるか」
A「…び、っくりした、、急に後ろに来ないでよ…」
誠也「そりゃ悪かったな、せっかく着替えとバスタオル持ってきたったのに笑
……その辺の化粧品はよぉ分からん、誰かが置いてったやつやから、勝手に使え」
誰かが置いていった、末澤さんが使わないスキンケア
…
…威圧感の割に、女子と話すのに慣れた素振りと、
やけに、こなれきったシャワーへの誘導と準備は
末澤さんが大人の男性なんだって、理解するのに時間はかからなかった。
A「…今まで何人連れ込んでるんだろ、あの人」
そんな呟きは、私に対して広すぎるお風呂場に消えていった
真っ白なふわふわのバスタオルに包まれた、私の酷いアザ。
…メイク落とすしかなかったから、隠しようがない。
A「末澤さーん…お風呂ありがとうございました、！」
誠也「ん…、
…っ、お前それ誰にやられたん。」
元々大きな目を更に見開いて、末澤さんは尋ねてきた。
A「…自分でぶつけただけ。」
誠也「アホ。そんなん人から付けられたなんて、すぐ分かるわ。
…自分で分かっとうやろ、お前はもう限界なんよ。色んなもんに麻痺しすぎとる。
痛いなら、痛い。
眠いなら、眠い。
疲れたなら、疲れた。
…全部ちゃんと口に出しぃ。」
殴られた時の衝撃も、大事な顔についた悔しさも、痛みも傷が残るんじゃないかっていう心配も全部全部無視してきた私に
末澤さんがかけてくれた言葉はやけに甘く感じた。
A「…、痛い。」
誠也「…で、誰にやられたん？」
A「…お母さん」
誠也「………………辛かったな」
末澤さんは、大きな手のひらで私のアザを優しく覆った
…大事に大事に、するように。
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作者名：こひな | 作成日時：2023年9月23日 21時
