13* Masaya ページ14
Side 晶哉
晶哉「まさかどせんせー」
正門「おぉ、晶哉。どうしたん?」
正門先生は俺らのクラス担任。
まだまだ若手やけど、お母さんたちからの評判もええ熱血教師。
…たぶん、熱血教師。
熱血なんは伝わってくるけど、たまーに漢字間違えよるし、体育祭も力入れてくれとるけど、正門先生本人がそこまで運動得意じゃなさそう…笑
クラス対抗リレー、アンカーはクラス担任って決まっとるんやけど、どうなるんかなぁ笑
女子グループからは『たまにぽやるから』って『ぽやせんせー』とか『ぽやせん』とか呼ばれとる
晶哉「なぁ、Aちゃん、なんで休んどるん…?」
正門「それがなぁ、先生にも分からんのよ。…親御さんも電話出ぇへんし、、
…もう、1ヶ月近く来とらんから先生も心配しとるんやけど…」
晶哉「…先生も知らんのかぁ、…俺も返信返ってこんくて心配で」
正門「まぁ晶哉に言ってもしゃあないけどな、16、7歳って難しい時期やんか。…色々あるんやな、とは思ってるんやけど…
そうや、今日Aさん家に伺うから晶哉もくるかー?晶哉やったらAも喜ぶやろうし」
晶哉「ほんま!?ほんまにええの?」
正門「えぇよ、先生も1人じゃちょっと不安やったしな笑」
…正門先生の思いもよらない提案に心が跳ねた
もちろん、心配はしてたけど、Aちゃんに久々に会えるかも!っていう嬉しさと、Aちゃんの家に入れちゃったりして…なんて、浮かれて
だから、俺はAちゃんか置かれてる問題の酷さに気づいてなかったんだと思う
・
正門「……Aさーん?いらっしゃいますかー?
私、Aさんの担任の正門良規ですー、Aさんのことで少々お尋ねしたいことがありまして…
・
あかんな、呼び鈴も出ぇへん」
Aちゃんの住んでるっていう2階建てのトタンで覆われたアパートの一室は、…まだ明るいっていうのにカーテンは締め切ってあって、ドアの郵便受けには大量のチラシや請求書がぎっしりと詰まっていた。
…それから若干の、すえた、酸っぱい何かが腐ってるような匂い
生活感の全く無いその光景は、明らかに異様やった
正門「しゃあないな、…お隣さんに聞いてみるか。
晶哉はもう家に帰り?遅なってしまうよ。親御さんが心配するで。」
晶哉「…嫌やっ、」
正門「…晶哉は賢いからわかると思うけどな、…こっから先は先生の仕事や。晶哉を巻き込めんのよ。」
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作者名:こひな | 作成日時:2023年9月23日 21時