あなたの隣で眠らせて Seiya.S (ページ12)

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いまだに、じとりとした少し残った夏の空気の中

私は末澤さんのお家に向かうことになった

…はずだった。

誠也「…！ちょ、おい、、大丈夫か？」

気が緩んだからか、力が抜けてへなへなとその場に座り込んだ

怖くて、怖くて堪らなかった。母親のところには帰りたくないのに、母親との生活に嫌気がさしてるのに、

それでも、今ある日常が壊される方が怖かった

よかった、私。お母さんとの日常守れたんだ。

A「ごめん、なさい…もう、立てない…」

もう、色々限界で顔を上げることすら出来なかったけれど

誠也「分かった、…俺がなんとかしたるから。…乗れるか？

そう、上手やなぁ、？
ちょっと揺れるから気持ち悪なったら言いや？」

末澤さんの力強い声のおかげで、少しだけ体が楽になった

…そんな気がした

そこまで高くない末澤さんの背中から感じる体温は、心地が良くて、私はまた夢の中に入っていった

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……

次に目を覚ました時私は

A「は、…大きすぎるでしょ……」

　
グレーの柔らかいシーツに包まれためちゃくちゃでかいベッド(推定キングサイズ)の上で目を覚ますことになる

…それから、隣にはすやすやと寝息を立てる末澤さんとワンちゃん。

バーを出てからの記憶が全くないから混乱しているけど、一つだけ分かってるのは体がめちゃくちゃ軽いってこと。

…関西に越してきて、ううん、それよりも前からこんなにぐっすり寝れたことはなかったから、

こんなに、安心して寝れたことが久々で。

A「…っ、う、、」

声を押し殺して、末澤さんにバレないようにしたけれど

…勝手に流れ出てくる涙は全く止まりそうもない