7.大好きな人。 ページ7
Aside
それから1週間。
年を越す瞬間も、お正月のお祝いムードの街も
なんにも気にならなくなった。
行く宛もないから毎日ホテルで過ごしていた。
今頃、翔くんは何してますか？
どこにいますか？
誰と一緒ですか？
私がいなくなって少しは寂しがってくれますか？
そんなふうに独り言を呟いて、
また溢れ出す涙をぎゅっとこらえて、
そんなことを繰り返す日々。
和也｢A、おはよう。｣
A｢おはよ。｣
和也｢なんでそんなに不機嫌なわけ？久しぶりに顔みたと思ったらどうしたの？｣
A｢翔くんの家を出たの。｣
和也｢えぇ？なんで？｣
A｢翔くんと一緒にいるのが辛くなったの。｣
和也、二宮和也。
会社に入る前からの腐れ縁というか、
最初はただの同期。
だけど、そのうち仲良くなって、
翔くんを紹介してくれたのも彼。
よく飲みに行ったりして
翔くんの話を沢山した思い出が蘇ってくる。
和也｢翔ちゃん、ダメか。｣
大野｢え？なになに？しょーちゃんがどうした！？｣
A｢大野さん？急にどうしました？｣
大野編集長はスッとデスクから飛んできて
話を聞きに来たらしい。
それより、“しょーちゃん”？
知り合い...？
和也｢おーのさんと翔ちゃんは昔一緒に仕事した仲で、みょーにおーのさんが翔ちゃんのこと気に入って、それから友達なの。｣
智｢そう♡｣
語尾に♡を付けて大野さんは笑った。
そんな関係があったなんて知らなかった。
ねぇ、翔くん、
あなたに会わなくなってからもっとあなたの話を聞くようになったよ。
もっと教えて欲しかった。
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作者名：さーちゃん | 作成日時：2017年12月18日 23時
