貴女のいないその未来は (ページ5)

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5.クリスマスイブページ5

Aside

12月24日＿＿＿＿。

街中がクリスマスムードに包まれる。

家の近くも、駅前も、

みんなイルミネーションばっかりで、

どこもかしこも恋人達の聖地となっていた。

普段は薄暗い公園であることも忘れて

ベンチに座っては写真を撮り、寄り添う影。

私にとってそんなクリスマスは1度しか訪れなかった。

翔くんと付き合って最初のクリスマス。

これが最初で最後のクリスマスだ。

家に帰っても誰もいない。

静かな部屋に｢ただいま｣と叫ぶ。

こんな生活も今日で24日目を迎えた。

12月にはいってから1度も翔くんの方が早く帰ってきた日はない。

駅前にいたバイトサンタにつられて買ったケーキと、

最初で最後のクリスマスに翔くんと食べた思い出のチキンを、

机の上に置きっぱなしにして

湯船にゆっくりと沈んだ。

カモミールが私を癒してくれた。