貴女のいないその未来は (ページ29)

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29.君の存在k.n ページ29

和也side

下で相葉さんの｢いってらっしゃい｣という大きな声が聞こえた。

それを聞いて俺は相葉さんの元に向かった。

雅紀｢二宮和也、男前じゃん。｣

和也｢聞こえてました？｣

雅紀｢聞いてました。｣

相葉さんは乾杯と日本酒をそそいだ。

和也｢俺、馬鹿だよなー。好きな女の子をさ、誰かに渡すなんて。ずっと手に入れたかったものを手に入れて、なのにすぐ手放して。｣

雅紀｢俺はかっこいいと思うよ？自分の幸せより誰かの幸せを願うって大変なことだから。｣

彼のそんな言葉に自然と涙を流していた。

和也｢相葉さんはたまーにいいこと言うからムカつくんですよっ。｣

雅紀｢もしかしてニノちゃん泣いてるの〜？｣

和也｢泣いてないっ、｣

雅紀｢じゃあ、1から俺と婚活でもしますか。｣

和也｢まだそんな年齢じゃないし。｣

和也｢クククっ｣

雅紀｢フフフっ｣

こうしているときが一番楽しい。

二人でくだらない冗談言って、
一緒に笑い合う。

一生に一度の友達。

俺にはAという大切な守りたい友達がいて、

これから先もずっと一緒の相葉さんがいて、

会社に行けば大野さんが眠たそうに待っててくれて、

それが俺にとってはこの上ない｢幸せ｣なんだ。