25.望まぬ出逢い ページ25
Aside
『A！』
どこか懐かしい声が後ろの方からした。
後ろを振り返った。
あなたと目が合った。
息が止まった。
すべてはスローモーションだった。
暫くじっとしたまま、動くことは出来なかった。
訳もなく、和也とお揃いのキーホルダーを隠した。
なんにも悪いことなんかしてないのに
犯罪を犯しているかのような罪悪感を感じた。
私は何も言わなかった。
感嘆の声一つさえも出さなかった。
だけど、あなたは違った。
これがチャンスと言わんばかりに大きな声で久しぶりとただそれだけ言った。
あなたの手はぎゅっと握られていた。
そんな時は緊張している時だと私は知っていた。
翔｢あのね...あれからっ｢翔くん、少し痩せた？｣｣
翔｢え？｣
A｢痩せたね。私わかるよ。ちゃんと食べてる？｣
翔｢Aがいなくなってから生活は滅茶苦茶だよ。俺って無力なんだよ。ひとりじゃ生きていけないんだよ。｣
A｢そっか...｣
あえて詳しい返事はしなかった。
いや、出来なかったのかも。
そうしたら翔くんがもう一度私とって言うのが分かっていたから＿＿＿＿。
翔｢あのさ、Aは今、何してるの？｣
A｢何...か、前と変わらないよ。何も。｣
翔｢もし、少しでもAが俺のこと覚えててくれたなら...
＿＿＿＿＿もう一度、やり直せないかな。｣
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作者名：さーちゃん | 作成日時：2017年12月18日 23時
