貴女のいないその未来は (ページ24)

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24.君の名前s.s ページ24

翔side

『櫻井くん、君の頑張りには本当に感謝しているよ。』

翔｢ありがとうございます、もう一杯どうぞ、どうぞ。｣

『ははは、君は本当にできた社員だなぁ。』

だいぶ酔ったじじいの相手をしていた。

じじいと言いつつ、その人は取引先の社長。

『櫻井、ご指名だぞ。行ってこい。』

千葉に本社を構えるその会社の社長は1度営業であっただけの俺をどうしてか気に入ったらしく、

千葉に行ってシゴトノハナシをすることになった。

そして今は、その社長のご機嫌取りである。

正直もう眠くて早くホテルに戻りたい。

翔｢安藤社長、タクシー呼びましたから行きましょう。｣

『ああ、ありがとう、』

フラフラで意識もあるのかというこのじじいを店の前に止まってもらったタクシーに乗せて見送った。

そしてお食事代という小さな紙切れ一枚をもらって自分もホテルに向かおうとした。

そしたら、天使を見た。

疲れ気味の目が錯覚でも起こしたかと最初は思った。

だけど、その姿は紛れもない、

＿＿＿＿＿Aの姿だった。

翔｢えっ...嘘だろ。｣

流星にお願いすれば願い事は叶う。

その迷信は自分の中で今やっと確信に変わった。

そして、警戒されることも、

嫌がられることも分かっていて、

君の名前を呼んだんだ。