貴女のいないその未来は (ページ18)

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18.貴方の笑顔ページ18

Aside

和也｢ねぇ、こんど海行こっか。｣

そんな風に誘われたのは春の訪れがもうすぐ

という２月の終わりのことだった。

A ｢何言ってるの？和也。２月の海なんて入れるわけないし、それに和也知ってるよね？私が...｣

和也｢泳げないことでしょ？｣

A｢知ってるなら何で...。｣

和也｢ちーがうよ、入るんじゃなくて見るの。｣

A｢見る？｣

和也｢そ、この前さ、臨時で旅行雑誌の編集行ったんだけどね、ここの海綺麗だなって、思ったの。まぁ、ただそれだけ。｣

和也が机の上に広げたのはうちの出版社の看板旅行雑誌。

【冬でも楽しい海】

そう書いてあった。

A｢それならいいよ、行っても...｣

和也｢行ってもって、行きたいの間違えじゃない？｣

そうして2人でまた笑いあって、

目を合わせては微笑んだ。

A｢そういうことにしといてあげる。｣

付き合って約1ヶ月とちょっと。

帰りにご飯に行ったり、ちょっと買い物をして帰ったりなんてことあっても、

私にとってこんなデートらしいデートは

もう何年ぶりかで、

和也とは初めてだった。

・

和也は幹事とか、そういった事が上手い。

何時からこんなことをしよう、

その次はどこに行こう、

そんな計画をぱっぱと決めていき、

ちゃんと私にも選択肢を持たせてくれて、

多分、世の中で一番重宝されるタイプの彼氏。