迷子 ページ4
***
山崩れのせいで定刻より遅れて到着した私は、駅のホームでたたずんでいた。
このまま誰かが迎えに来てくれるのを待つか、適当にぶらぶら歩こうか、非常に迷っていた。
なぜならば
ぐぅ〜…ぎゅるるぅ〜…
『お腹すいたぁ…』
ただひたすらにお腹がすいたから。
何か適当にご飯を食べるくらいなら、許してくれるだろうか?
とにかく、そろそろ目眩もしてきたので、食べるものを探しに行くことにした。
***
何か、歩きながら食べれるものはないか探し回り、サンドイッチを買った。
ついでにカフェオレなんかも買って来た道を戻り、駅に戻っていたはずだったのだが。
『ここ、絶対さっきの道じゃないわ…』
どうやら迷ってしまったらしく、薄汚い路地に着いてしまった。
近くに不良のたまり場でもあるのか、ガラの悪い男たちがこっちをチラチラ見てくるのがわかる。
ここは今来た道を走って戻るしかないと踵を返した時。
「よォ嬢ちゃん。こんな所で何してんだ?」
ふいに声が聞こえたが、自分ではないと決めつけて走り出す。
?「オイオィ。親切心で声掛けてやったのに、逃げることないだろ。」
『!?』
いつの間にか声の主は私の目の前に現われ、走って居た私はぶつかりそうになる。
?「迷子か?ここのモンじゃねーな。」
身長の高い男性を見上げると、体格のいい、サングラスをした悪そうな男が立っていた。
『え、駅に戻りたくて…』
?「そりゃ全くの逆方向だぜ嬢ちゃん。
しょうがねーな、送ってやるよ。
俺はグリードってんだ、お前は?」
グリードと名乗る男は、馴れ馴れしく腰に手を当ててくる。
『Aです。あの、方向だけ教えてくだされば、自分で…』
グリード「ここは、俺みたいな優男だけとはかぎらねーからな、素直に従った方が…身のためだぜ?」
そのままグイッと引き寄せられると無理やり連れて歩かされる。
男性の力には適うはずもないので、駅に無事にたどり着くのを祈りながら歩いて行くことにした。
***
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ! (3月21日 16時) (レス) @page28 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - みーさん» あっあっ…コメントありがとうございます…っ!みー様のお命、救われたのなら私はとても嬉しいです…。もっと沢山の方を救えるよう精進致します(?) (2022年3月17日 21時) (レス) id: d7d7e6bb61 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - あっあっあっ、ハガレンの夢小説ものっそい少ないので助かります・・・再熱してたので命が救われました・・・ありがとうございますありがとうございます!!! (2022年3月16日 22時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - レイさん» 暖かいお言葉、本当にありがとうございます…!私の文章をそんなにお褒めいただけると思わず、むしろ毎回投稿前に悩むくらいでした。レイさんのコメントで、やる気がもう200倍くらい出てきたので、これからも頑張りますぅぅうう!!! (2022年3月1日 23時) (レス) id: bc8ff92a4c (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 毎回の話がおもしろいし、文章も私とは天と地の差があって、最初の方から見ていたのですが、初めて見たとき、そして今でも話が更新されるごとにびっくりしています。いつも最高の文章を書いていただきありがとうございます! (2022年3月1日 21時) (レス) id: 16d4726e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年2月17日 14時