好きなものは覚えやすい ページ27
***
エドとアルを見送る為と、駅までの道を覚えるために家を出た私たちは、大きな通りを歩いていた。
『あ、あそこのお店おいしそう。』
エド「食い意地はってねーで、ちゃんと道覚えとけよ。」
『お店を覚えてるんですー。おいしそうなお店をー。』
アル「好きなものは覚えやすいよね」
『流石アルはわかってるぅ!』
エド「ケッ」
そうこうしていると、やがて駅が見えてきた。
『あ、駅が見えたね』
エド「だな。」
アル「どう?道覚えられそう?」
『うん、たぶん大丈夫だと思うよ!』
エド「たぶんじゃなくて、ほんと気をつけろよ。もう都合よく助けなんて来ねぇんだからよ。」
『わかってるよ』
エド「へいへい」
なぜか険悪なムードになってしまった。
心配なのはわかるけど、そこまで言うことないんじゃない?
アル「それで、修行が終わったらAはどう予定なの?」
見かねたアルが、私に問いかける。
『あー、えっと、国家錬金術師には、ならない方がいいのかなって…。
なんかイズミさん、国家錬金術師になるの、すごく嫌そうだったし…』
エド「まぁ、軍の狗にはなってほしくないのはオレも一緒だな。」
アル「でもそれじゃあ、何かあったとき身を守れないんじゃ…?」
『そんなに危険なことって、あるのかなぁ?』
エド「バカかお前。石の研究にかかわったやつらは全員行方不明なんだぞ。
それに、エンヴィーって野郎に目を付けられてんだ。いつ何があってもおかしくねぇよ。」
『そうでした…』
なんだかさっきより険しい顔をしているエドに、こっちは悲しくなってくる。
もう駅は目の前に迫っている。
喧嘩別れなんて嫌なのに。
アル「ちょっと兄さん昨日話したでしょ。ちゃんと伝えないと、わからないよ」
エド「うるせーな、わかってるよ…」
『…?』
ちょうど駅に着いた頃、エドは立ち止まった。
私も一緒に、その場に立ち止まる。
駅前の広場は、記者が到着する前なのか人も多く騒がしかった。
彼が話始めるのを待っていると、ちょうど10時を告げる鐘の音が広場に響き渡るのだった。
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ! (3月21日 16時) (レス) @page28 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - みーさん» あっあっ…コメントありがとうございます…っ!みー様のお命、救われたのなら私はとても嬉しいです…。もっと沢山の方を救えるよう精進致します(?) (2022年3月17日 21時) (レス) id: d7d7e6bb61 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - あっあっあっ、ハガレンの夢小説ものっそい少ないので助かります・・・再熱してたので命が救われました・・・ありがとうございますありがとうございます!!! (2022年3月16日 22時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - レイさん» 暖かいお言葉、本当にありがとうございます…!私の文章をそんなにお褒めいただけると思わず、むしろ毎回投稿前に悩むくらいでした。レイさんのコメントで、やる気がもう200倍くらい出てきたので、これからも頑張りますぅぅうう!!! (2022年3月1日 23時) (レス) id: bc8ff92a4c (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 毎回の話がおもしろいし、文章も私とは天と地の差があって、最初の方から見ていたのですが、初めて見たとき、そして今でも話が更新されるごとにびっくりしています。いつも最高の文章を書いていただきありがとうございます! (2022年3月1日 21時) (レス) id: 16d4726e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年2月17日 14時