会いたいのは ページ23
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お使いを終えて夕食をすませた私は、昨日寝た寝室で荷物の整理をしていた。
これからここでお世話になる私に、イズミさんはこの部屋を使うよう言ってくれたのだ。
エドたちは、明日、ここを旅立つらしい。
アルから何気なく伝えられてはいたが、やはり寂しいと思ってしまう。
だから私は、気を紛らわすために片付けていたのだった。
コンコン
そんな私一人だけの部屋に、誰かがやってきた音。
『はい』
エド「オレだ。今いいか?」
『うん、どうぞ』
ガチャリとドアを開けて入ってきたエド。
彼も既に、ゆったりとした部屋着に着替えが済んでいた。
『片付けてたから汚いけど…よかったら座って?』
エド「忙しかったよな、わりぃ」
椅子に座るよう促したエドの足元にはものが散乱している。
先程買った日用品などだ。
『どしたの?』
エド「いや、オレたち、明日ここを立つんだけどよ」
『うん。アルから聞いたよ。今度はどこに行くの?』
話をしながら、私もベッドに腰かける。
エド「ラッシュバレー。腕直しにウィンリィんとこ。」
『そっか。壊れそうだもんね』
エド「おう」
先日のデビルズネストの件で、エドの機械鎧はボロボロだ。
それを直すために、ウィンリィの所へ行くんだ。
そう思うとなぜか、心の奥底がモヤっとした。
ウィンリィは、エドの整備士だから。
腕を直すのは当たり前なのに。
エド「まぁ、1度は離れちまうけどよ
師匠にがっつり鍛えてもらったら、また…会えるよな?」
『えっ…』
エド「な、なんだよ」
また会えるのか、なんて
私が1番聞きたかった言葉だ。
次はいつ会えるかなんて、保証はなかったから。
エド「しょ、しょーがねーだろ!オレたちのせいで、お前はあの黒ずくめに目ェつけられちまったんだから…!
それに…!お前守るなら、そばに居る方が…楽だろうが…。」
言いながらも申し訳無くなってきたのか、段々と覇気のなくなる声のエド。
それでも、責任感からでも、また会えるのが嬉しかった。
『…ありがとう』
エド「…あ?」
『私、絶対強くなって、むしろ私がエドの事守れるくらいになるから!』
エド「いや無理だろ、それは」
『やって見なきゃわからないよ!』
エド「いーんだよ、お前は。ちょっと弱いくらいで」
『なんでよ!』
エド「それは…まぁ、とにかく!程々でいーんだよ!」
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ! (3月21日 16時) (レス) @page28 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - みーさん» あっあっ…コメントありがとうございます…っ!みー様のお命、救われたのなら私はとても嬉しいです…。もっと沢山の方を救えるよう精進致します(?) (2022年3月17日 21時) (レス) id: d7d7e6bb61 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - あっあっあっ、ハガレンの夢小説ものっそい少ないので助かります・・・再熱してたので命が救われました・・・ありがとうございますありがとうございます!!! (2022年3月16日 22時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - レイさん» 暖かいお言葉、本当にありがとうございます…!私の文章をそんなにお褒めいただけると思わず、むしろ毎回投稿前に悩むくらいでした。レイさんのコメントで、やる気がもう200倍くらい出てきたので、これからも頑張りますぅぅうう!!! (2022年3月1日 23時) (レス) id: bc8ff92a4c (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 毎回の話がおもしろいし、文章も私とは天と地の差があって、最初の方から見ていたのですが、初めて見たとき、そして今でも話が更新されるごとにびっくりしています。いつも最高の文章を書いていただきありがとうございます! (2022年3月1日 21時) (レス) id: 16d4726e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年2月17日 14時