素直なのは ページ16
***
『ど、どしよっか…』
エド「俺は床で寝る」
アル「僕は夜寝ないから下で本読んでるよ〜」
エド「てめぇアル、逃げる気か…」
アル「えー、これでも気を使ってるんだけどなあ」
エド「なににだよ!!ここに居ることに気を使えよ!!」
アル「え〜?」
『いやなんのハナシ〜』
ベッドがひとつしかないのを悩んでいる私を他所に、勝手に盛り上がっている兄弟にツッコミを入れる。
それでもまだぎゃーすかやっている、懲りない。
アル「じゃあまた明日ね!師匠がお赤飯炊くって言ってたから!」
『ん”ん”ッッ…』
逃げるように部屋を後にしたアルの言葉から、私はやっと察した。
寝る場所がどうこうの話じゃなくなったじゃない…!
『やっぱりイズミさんに言って、下のソファーとかさ…』
エド「やめとけ死にてーのか」
私の肩を掴むと冷や汗ダラダラと怯えた表情でやめろと訴えてくるエド。
『…イズミさんって、そんな怖いの?』
エド「怖いとかそういうモンじゃねーよ…」
言うに語れないのか、目を逸らし遠い彼方を見つめてボソボソ言い始める。
『私、これからここで修行するんだけど…大丈夫かな』
エド「まあ、悪い人ではねーから…
俺と一緒に来るよりは全然マシだろ。」
そう言うエドの顔は、なんだか寂しそうだった。
『もしかして、寂しいの〜?』
冗談まじりにからかってみる。
彼には笑って欲しいから。
エド「ばか言ってんじゃねー!誰が寂しいかッ!」
『え〜?顔に「寂しいです」ってかいてあったけど〜』
エド「…てめぇ、あんま調子にのってんじゃねーぞ…」
からかいすぎたのか、すごい剣幕で詰め寄ってくるエド。
待ってこの人ド短気すぎやしませんか?!
『ちょ、ごめんて、ごめっ…わっ』
後ずさりをしながら逃げていたところで、自分の足がもつれて倒れそうになる。
エド「あぶね…な、お前…」
『ご、ごめん…なさい…』
すぐにエドが私を引き寄せたかと思うと、腰に腕をまわし、抱きとめてきれたことで転ばずには済んだ、のだけど。
すっぽりとエドに抱きしめられてる形になり、図らずも顔が真っ赤になっていく。
身体が彼を好きだと叫んでいる。
思うようにいかない身体を隠すように、彼の肩に顔を埋めた。
***
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ! (3月21日 16時) (レス) @page28 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - みーさん» あっあっ…コメントありがとうございます…っ!みー様のお命、救われたのなら私はとても嬉しいです…。もっと沢山の方を救えるよう精進致します(?) (2022年3月17日 21時) (レス) id: d7d7e6bb61 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - あっあっあっ、ハガレンの夢小説ものっそい少ないので助かります・・・再熱してたので命が救われました・・・ありがとうございますありがとうございます!!! (2022年3月16日 22時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - レイさん» 暖かいお言葉、本当にありがとうございます…!私の文章をそんなにお褒めいただけると思わず、むしろ毎回投稿前に悩むくらいでした。レイさんのコメントで、やる気がもう200倍くらい出てきたので、これからも頑張りますぅぅうう!!! (2022年3月1日 23時) (レス) id: bc8ff92a4c (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 毎回の話がおもしろいし、文章も私とは天と地の差があって、最初の方から見ていたのですが、初めて見たとき、そして今でも話が更新されるごとにびっくりしています。いつも最高の文章を書いていただきありがとうございます! (2022年3月1日 21時) (レス) id: 16d4726e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年2月17日 14時