罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ8)

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秘匿の錬金術師ページ8

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その後、軽く身支度を整え婦長さんへの報告を終わらせると、間もなくしてアレックス様の送迎の車に詰め込まれてしまった。

アレックス｢すまん、A。

詳しくは語れぬが、過酷な境遇に置かれた兄弟でな、できる限り力になってやりたいのだ。｣

『私で力になれるのなら、精一杯努めさせていただきますので…』

先程から謝りっぱなしのアレックス様に、謝らないで欲しいと告げる。

本当に私なんかが力になれるのかはわからないのだ。

秘匿の錬金術師と呼ばれていたのは私の父。

私はその父の研究資料を真似していただけだ。

私自身が国家錬金術師である訳ではないし、何より、何年も錬金術を詳しく学ぼうとしたことも無い。

錬金術を学ぶと、私は周りを不幸にするから。

出来ることなら、今回の事も関わりたくないのだが…アレックス様の頼みならば仕方がない。

程なくして、昨日も来た国立中央図書館に到着し、そこで車を降りた。

アレックス｢ロス少尉に事の経緯を説明してある。

あとは彼女に聞いてくれたまえ。｣

では頼んだぞ。と、アレックス様を乗せた車は行ってしまった。

私はというと、少し戸惑っていた。

ロス少尉が来るということは、それはつまり。

『鋼の錬金術師って、ことよね』

そう、あの二人のどちらかが、国家錬金術師という事なのだ。

多分、鎧の方がそうなのだろう。

物思いにふけりながら、私はその人たちが来るのを待つことにした。

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次回、やっとエドと会話します笑