罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ23)

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黒髪の少年ページ23

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時は少し前の事。

私は鎧の胴体とエドの戦いに加わろうか迷っていた。

人体錬成をし、扉を開いた私も、錬成陣なしで錬成することは可能だ

ただ、今までこの力をひた隠しにしてきたから、今すぐに実現出来るのかが怪しかった。

戦えないのにしゃしゃり出たところで、エドの足を引っ張ってしまう。

『そうか、今ここでやってみればいいのか』

何か、簡単なものを錬成してみる事にした。

パンッ

両手を合わせ地面に当てると、錬成の光とともに地面が盛り上がる

『で、できる…！』

これで私も加勢できると思いエドの方を見ると、彼は柱を背に追い詰められていた。

『エドー…っ！！？』

彼の元へ走り出そうとした途端、後ろから誰かに引き寄せられ、口を塞がれてしまった。

『…！…っ！(だ、誰？なんなの？！)』

？｢こんばんは〜お嬢さん。あんた錬成陣ナシで錬成できるんだねえ｣

へらへらと笑いながら、黒髪の少年は言った。

その後ろから大人の女性もやって来ては言う。

？｢こんな所で素晴らしい収穫だわ。

人柱の人材を見つけるなんて…｣

？｢さて、向こうも決着着いたみたいだね｣

そのまま私を引きずるように歩き出す少年。

どうにか逃れようとするがビクともしない。

『…っ(なんて力なの…！)』

？｢あぶないあぶない…。ダメよﾖﾝﾊﾁ。余計なことしゃべっちゃあ…｣

？｢あらら、このお嬢さんと言い、鋼のおチビさんと言い、なんでここに居るのさ？｣

エド｢……っ、A…！｣

最悪だ、こんな形で参戦してしまうなんて。

完璧なお荷物状態にいたたまれなくなる。

？｢へえ、Aって言うんだ？名前｣

掴まれた顎を無理やり上に向けられると、真っ赤な瞳と目が合う。

おぞましく光る目をキッと睨見つけてやった。

？｢いいねー面白いね。弱っちいくせに、その生意気な目。｣

エド｢…てめえ…汚い手で…｣

？｢おっ？｣

エドがどす黒いオーラとともに身体を起こす。

エド｢Aに…触んじゃねぇーっ！！｣

？｢おぉーっ！？？｣

ものすごい勢いの蹴りを、黒髪の少年に向けるエド。

肩から息をしながら、エドは少年を射殺さんばかりの視線を向ける。

？｢あらー…、やる気満々だよ、このおチビさん。

え、なに？あんたらデキてんの？｣

エド｢できてねーよっ！！」
『んー！んー！！』

広い部屋に、2人の声がこだました。