罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ20)

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卑怯と反則ページ20

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ものすごい速さで戦っていく2人に、私はただ柱に隠れて見ている事しか出来ずにいた。

どうやら2人は話をしているようだったが、次の瞬間

エド｢アル！今だ！！｣

『！？』

48｢いつのま…に！？｣

私たちが一斉にエドの言う方へ視線を向けるもそこには誰もいない。

48｢うぬ……卑怯な…｣

次の瞬間、ナンバー48の兜がエドによって吹き飛ばされる。

エド｢ケンカに、卑怯もくそもあるか｣

ドガシャーン！！

ゴン！ガラガラン…

残された胴体は倒れ、兜は勢いよく地面へ落ちる。

どうやら、勝敗がついたようだった。

エド｢魂がこっちにあるなら、胴体はただの鉄塊だからな。

あんたには、聴きたいことがある｣

48｢…賢者の石についてか？｣

エドは兜から生えている紐を掴むと、ひょいと持ち上げた。

しかし、私からは先程倒れた胴体が、立ち上がるのが見える。

48｢まだ、負けてなどおらん｣

『エド！！後ろぉ！！！』

エド｢なっ…｣

本来ならば動くはずのない胴体が動き出し、持っていた刀でエドの横腹を切り裂いたのだ。

想定外の出来ごとに、思わず駆け寄ろうとする

『え…エド…！』

エド｢来るな！｣

しかし、エドに強く言われてしまい、足が強ばってしまった。

48胴｢ひとつの鎧に、ひとつの魂とは限らねーだろ。｣

48頭｢言い忘れていたが、スライサーという殺人鬼は｣

48胴｢兄弟2人組だったってわけよ。｣

なるほど、それでどちらも動くのか…

でも、頭と胴体で別の魂だなんて…

エド｢……反則くせ〜…｣

48胴｢さあ、第2ラウンドといこうぜおチビさんよ。

っと、その前に、兄者にならって俺も血印の場所をおしえといてやるか。

いいか？ここが俺の血印だ。

きっちり狙って壊せよチビ！｣

そう弟の胴体が話すと、血印の場所を指さす。

だがもうエドはふらふらだ。

48弟｢そんなふらふらじゃ、無理っぽいな！うはははは！！｣

エド｢この…なめんじゃ…｣

48弟｢おぉっと！錬成とやらをさせる暇は与えないぜ！｣

そう言い一気に距離を詰める鎧。

瞬く間に第2ラウンドが開戦してしまったのだった。

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