罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ17)

今日:46 hit、昨日:26 hit、合計:56,377 hit

元第5研究所ページ17

***

アレックス｢軍の下にある錬金術研究所は中央(セントラル)市内に現在４ヶ所。

そのうち、ドクター・マルコーが所属していたのは第3研究所…

ここが1番あやしいな。｣

アレックス様は中央市内の地図をデスクに広げ、軍の内情を語り出した。

どうやら、軍が関与している可能性を考え、以前マルコー氏が所属していた研究所にヒントがないか探っているらしい。

エド｢ここはたいした研究をしてなかったような…｣

私は軍に所属している訳では無いので、口を挟まないよう黙って見ているしかない。

エドの後ろから、地図を眺めてみる。

エド｢これ、この建物なんだろう｣

マリア｢以前は第5研究所と呼ばれていた建物ですが、現在は使用されていないただの廃屋です。

崩壊の危険性があるため、立ち入り禁止になっています。｣

エド｢これだ。｣

『……刑務所？』

エドが指さした所には、刑務所がある。

賢者の石の材料は生きた人間。

それはつまり。

『…死刑囚が、実験材料…？』

エド｢そう考えても、怪しくないだろ？

死刑囚は死刑が実行されても遺体は遺族には返されないからな。

表向きは刑が実行された事にしておいて、生きたままこっそり研究所へ移動させる。｣

そんな非人道的な事に、軍が関与しているというのだろうか。

そもそも、賢者の石を作って何をしようと言うのだろう。

国家の転覆？それとも…

『…なんだか、とてつもない事に巻き込まれたような。』

エド｢だから、聞かなかったことにしろっつっただろ。｣

『で、でも。』

錬金術師の性分なのか、気になったことはとことん突き詰めてしまいたくなる。

この真相を最後まで追求したい、私はそう思ってしまっている。

アレックス｢うむ。しかし、現時点では、あくまでも推測で語っているに過ぎん。

国は関係なく、この研究所が単独でやっていた事かもしれんしな。｣

この、元第5研究所の責任者は、連続錬金術師殺害事件指名手配犯のスカーによって亡くなっており、探りを入れることは不可能。

アレックス様が、軍内部で情報を集めることになった。

アレックス｢それまで少尉と軍曹は、この事は他言無用！

エルリック兄弟は、大人しくしているのだぞ！！｣

エド・アル｢｢えっっ…！！！｣｣

『｢………｣』

この兄弟はどうやら、こっそり元第5研究所へ忍び込もうとしているようです。

***