罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ16)

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真実ページ16

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デニー｢あれ？右手、義手だったんですか。｣

アレックス様の発狂(？)が終わり、ふとブロッシュ軍曹がエドに問いかけた。

エド｢ああ…えーと、東部の内乱の時に、ちょっとね…はは…｣

アル｢そそ、それで元の身体に戻るのに、賢者の石が必要でして…｣

そうか、それで賢者の石を求めていたのね…

あの、私を本棚から庇った時に何ともなさそうだったのは、義手のおかげだったらしい。

東部の内乱…本当に、あれは酷かったから…

そう思いながらエドを見ていると

エド｢…Aも来てたのかよ｣

『あっ…うん…こんにちは』

声をかけられて、やっと喉から声がでた。

エド｢…おう。｣

なんだかバツの悪そうな顔をするエド。

やっぱり迷惑だったのかなと、不安になってきた。

アレックス｢Aが心配そうに宿の前に居たものでな。

ついでだから連れてきたのだ。｣

エド｢心配…？｣

『あ、あれから会ってなかったでしょ。

だからちょっと、心配で…、でも暗号解読終わったし、どんな顔して会えばいいのかわからなくて…。

そしたらアレックス様が誘ってくださったの』

とにかく、なぜここに来たのか、心配だったんだと、事の経緯を話す。

突き放されるのではないかと、内心すごく不安だったけれど。

エド｢そっか、ありがとな。

お前もあんな事知って、なんも音沙汰なかったら不安にもなるよな…わりぃ。｣

『あ…、ううん、大丈夫』

突き放すどころか、謝ってくれるエド。

その言葉で、私の心はすごく落ち着いていった。

アレックス｢真実は、時として残酷なものよ…｣

エド｢………真実…？｣

『…どうしたの？』

アレックス様の言葉で、はっとした彼はまたなにやら考え始める。

エド｢真実の奥の、更なる真実…

そうか…まだなにかあるんだ…なにか…｣

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