は ページ3
『じゃーね毬亜ー!』
A「うん、また明日。
気をつけて帰ってね」
『はーい!ありがとー!!』
友達に手を振って
背を向けて歩き出した。
A「……あー、気持ち悪い。
まだ口の中甘いんだけど
歯ぁ磨きたいわぁ」
角を曲がった瞬間
ブレザーの両ポケットに手を突っ込んで
さっきよりワントーン低い声で
ブツブツと愚痴をこぼす。
A「なにがプリンセス毬亜だよ
いや、別に悪い気はしないんだけどさぁ」
この道はわりと人通り少なくて
ありがたい事に全く人に出会わない。
はず、なのだが
倉持「毬亜Aじゃん」
A「うぇっ?!」
最悪だ。
人に聞かれてしまった。
しかも私の事知ってる人に
ていうか同じクラスの男子に!!!
つかなんなの『うぇっ?!』って
私の女子力どこいった!おい女子力!
A「倉持…くん、だよね
聞いてた?今の……」
倉持「なにがプリンセス毬亜だよあたりから」
A「ううっ、最悪」
こっくり、と首を縦に降る倉持くん
その姿を見て
いたたまれなくなり
ポケットから手を出して顔を覆う。
でもまだその最後あたりか
甘いの苦手っての知られてないなら
別にまだなんとか出来るかもしれない。
倉持「毬亜って甘いの好きじゃなかったんだな」
A「最初から聞かれてたっ!?」
倉持「あ、つい」
口を抑えて言う倉持くんに近づいて肩をしっかり捕まえる。
A「誰にも…言わないでほしい……です」
倉持「敬語で頼むあたりすげぇ世渡り上手だな」
A「お願いお願い!友達にでも何にでもなるから〜!!」
倉持「見下しすぎじゃね」
倉持くんをガクガクと揺らしながら懇願すると
『何にでも……』と倉持くんが呟いて
にやっ、と口角を上げた。
このあと倉持くんが放った言葉で
私の思い描いていた未来予想図をぶち壊されてしまった。
倉持「じゃあ、俺と付き合って」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ