理解者7 ページ40
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『最後、2本なんだ。
どちらかを切れば止まる。』
途中まで解体した爆弾を見せる。
上矢オリジナルなのか、解体図には存在しない見たことが無いコードが2本あることも。
そして、その爆弾を黙って見つめる志保に告げた。
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『後は私に任せて志保は逃げて』
志保「なに...言ってるの?」
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ゆっくり顔を私に向けた志保の声は震えていた。
優しい志保のことだから、残りたいと言うに決まっている。
いつも色々な事は志保の可愛さでいろいろ許してしまっているが、今は許す訳にはいかない。
『私の仕事は志保を助けること。上矢には深手を負わせたしそう遠くには逃げれないと思うから捕まるのも時間の問題だと思う。
後は志保だよ。』
志保「その仕事に“自分も生きて帰る”という言葉ないの?」
『はは...思いもつかなかったなぁ』
私は笑ったが、志保の表情は変わらない。
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『私がこのどちらかのコードを切る。...でもそれは志保がこの部屋を出た後だ。』
志保「逃げる訳ないじゃない」
『この爆弾は横型に広がるプラスチック爆弾。志保の足の速さなら階段を走ればギリギリ助かる領域まで行ける。』
志保「私は残るわ」
説明しても動きそうにない志保。
志保を連れていきたいが何も動かない足。
こうやっている間にも安全領域までの時間が限られてくる。
何も出来ない自分の状態にイライラが募る。
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『は?志保こそ何言ってるの?
早く逃げろって言ってんの』
志保「貴方を置いて逃げることは出来ないわ」
『なら志保はその小さい体で私を運ぶの?無理でしょ??だから志保だけでも』
志保「逃げない」
『貴方が組織を壊滅させる鍵を握っているんだよ?それに、あなたは幸せにならないといけない。こんな所で命を落としていいような人じゃない!!』
志保「それは貴方だって同じよ」
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全く動じない志保に痺れを切らした。
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『ッ...だから逃げろって言ってんだろうが!!』
志保「……」
怒鳴りに近い大声を志保にぶつけた。
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こんなことは初めてだ。
優しい志保に感情をそのままぶつけるなんて、考えられない。
でもごめん、とここで引き下がる訳には行かない。
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それでも動かない志保。
私をまっすぐ見つめていて、その目は簡単に折れるような弱さは見えない。
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トロ丸くん(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて大好きです!ただ、理解者2から3にかけてがおかしくなっているので修正したほうがいいと思います。更新楽しみにしています! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 1357d0851f (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!番外編とかでもっとジンとの絡みが見たいなぁと思ってますw更新頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 51ee7cd96d (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです最新待ってます頑張ってください (2020年4月2日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤さん - 続編おめでとうございます!待ってました!!今度はジンのターンですね( -ω- `)フッジン好きの私にはニヤけが止まりませんw (2020年3月20日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:235711 | 作成日時:2020年3月15日 19時