野良猫8《名探偵コナン》

捕食者17 ページ19

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その件も含めて今回は白川に会いに来た。
本当の目的は白川の裏切りがないかを確かめに来たのだ......上層部からの命令で。

こんな命令がなくとも素直に会える関係性でいたかった。だが、お互いの職業的にはそれは叶わない。

俺のそのなんとも言えない悔しい表情を見たのか、白川は軽く笑った。
その笑い声を聞いて俺は顔を上げる。
そして、

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白川「安心しろ、どんな状況でもお前達を売ることは決してない...絶対に。」
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強くそう言いきった白川。
その言葉に俺が何故今日ここにきたのか、その目的はバレているのだと理解した。

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白川はタバコを取りだし火をつけ数秒吸い、煙を吹く。
潜入捜査の身では、タバコを吸うことを辞める人が多い。単純に匂いが身体に染み付くからだ。白川も絶っていた筈だ。

そのタバコを今吸ったことに、白川の潜入捜査はもう取り返しのつかない所まで追われているのだと悟った。


白川「本当はよ。全てを投げ出してしまおうかと思ったんだ。」

降谷「え？」

白川「自分の命をかわいいと言わんとばかりに、お前らの情報全てを売ってよ、生き延びようと思ったんだ。」



らしくない言葉に目を見張る。


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白川「だが、Aが言ったんだ。」



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『その兄貴の殺しは正義のため、日本を守るためなんでしょ？その犠牲は確かに生まれてはいけないものかもしれない。もちろん兄貴はその罪を背負わないといけない。でも、その背負ったものに押しつぶされちゃダメだよ。』

白川「......」

『兄貴の信念はそんな簡単に潰れるようなものでは無いでしょ？？』

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白川「俺はAの言葉で救われた。覚悟ができた。」

覚悟。
その意味が悲しいけどわかってしまう。

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降谷「っ！死にに行くのかよ！！今、そう今だ！今すぐにでも逃げればいいだろ！！！」

白川「ダメだ、この瞬間でもおそらく遠くでスナイパーが俺達を見てるだろーよ。」

降谷「！」


っ、もうそんな状況なのか...

俺を呼んだのも公安の人間が来るよりも、黒の組織の安室透としての方がまだ呼びやすいからか...。それに黒の組織とGATEは積極的に取引が行われている。同じ場所にいても特に責められる事は起きないだろう。


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