捕食者15 ページ17
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「まだAちゃんはお金の管理とか知らないだろう?私がやってあげるから、私の所においで...」
「いえ、ここはわたしが。ね?Aちゃん」
「Aちゃん、私のところに」
「Aちゃん」
「Aちゃん」
「Aちゃん」
耐えられない空気でさすがに一言言おうと立ち上がった時、
『うるさい』
と、綺麗な凛とした声がその場をシンッ、、と黙らせた。Aの声だった。
『汚い』
Aがため息をつきながらそう言い放ち、立ち上がってこちらへ初めて振り向いた。
大きな瞳に誰もが息を飲んだ。6歳とは思えない堂々とした口調に口を開くことは出来ず、ただその瞳に皆が吸い込まれたような気がした。
Aが取り囲んでいる遺産目当ての奴らを、視線だけで見渡すと、子供らしい笑顔を浮かべ、
『あんたらにやるお金は一銭もないよ』
と、言葉を言い切った。
「きっ、汚いって、君っ!!」
「大人に向かって、、」
「やっぱり教育が、、」
「父親があんなんだから、、」
『あ?』
その言葉を誰かが言った途端、部屋の空気が一気に冷えた。Aの笑顔が消え、まるで殺気のような冷たい目でその発言を言った女性を睨みつけた。
『おばさん、名前は?』
「!なんで、そんな事あんたにっ」
『名前は??』
「ッ!...〇〇〇〇よ!それが何か!?」
『...覚えとく』
「ヒッ」
さっきの笑顔とは全く違う恐怖すら感じる笑顔でそう言ったA。
その数日後、市長だったその女性の夫の浮気が報道させ、その夫婦は世間から白い目で見られるようになった。
これは、たまたまだろうか。
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Aが言葉を発した後は、再びAを見てコソコソ話が始まった。
懲りない奴らはまだAに話し掛け続けていたが...
この光景を見て耐えられなかった父はAを引き取ることを決めた。
Aは父が害のない人間だとすぐに分かったのか、素直に頷き着いてきた。
俺は一人っ子だったから初めはAのような年代の女の子の扱い方が分からず触れるのには躊躇いがあったが、母は自分の娘のように簡単に受け入れた。
心を開いたAはそれはもう可愛かった。
そしてAはハッカーにおいて特別な才能を持っていることに俺たちは気付いた。
それを見た父は驚いたが、別にそれを利益として考えるのではなく、一人の父としてただ褒めただけだった。
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Aが悪用されないように...
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トロ丸くん(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて大好きです!ただ、理解者2から3にかけてがおかしくなっているので修正したほうがいいと思います。更新楽しみにしています! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 1357d0851f (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!番外編とかでもっとジンとの絡みが見たいなぁと思ってますw更新頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 51ee7cd96d (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです最新待ってます頑張ってください (2020年4月2日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤さん - 続編おめでとうございます!待ってました!!今度はジンのターンですね( -ω- `)フッジン好きの私にはニヤけが止まりませんw (2020年3月20日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:235711 | 作成日時:2020年3月15日 19時