頑固者3 ページ49
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ルパン三世と次元大介。
きっといい人達だろうし、仲良くなれると思う。でも、父さんが望んでいるような深い関係にはならないだろう。
私が友達を作らない理由は、将来きっと父の後を受け継ぐ私は嘘に塗れた人間になるからだ。
自分を隠し偽り、人を暴く。
それも裏社会を生き残る為には呼吸のように自然と嘘を吐き、闇に浸る。
表の人間に人に近づけば近づくほど、その嘘を重ね続けないといけないと思えば、自分への嫌悪感は一体どれほどのものか。
だから特定以上と仲良くするつもりはない。
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そんな気持ちに蓋をして、自室へと駆け足で戻った。
私はつまみを作ったあと、みんなの邪魔にならないところで仕事を纏めていた。
すると誰かの気配を感じ、目線を移すとそこには部屋を覗き込むルパンがいた。
一体何しに来たんだ。
そう言った意味を含めた目をすると、パソコンを叩いている自分に向かって、ルパンが話しかけてきた。
ルパン「Aちゃんは友達を欲しいとは思わないの?」
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突然問われた言葉に、ピタリと手が止まる。
突然なにを言い出すのかとルパンを見れば、わずかに探っているような目をしながらニコニコと自分を見ていた。
どうやら父さんは、ルパンに昨日の話をしてしたのだろう。酔った勢いだろうが、まさかルパンが気にするような話題だとは。
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『父さんから聞いたんですか?』
ルパン「そうそう、真剣な顔で相談してきたんだぜ?娘に友達がいない!っとな。」
少し父さんの声真似を含めながらそう言ったルパン。別に隠そうとは思っていなかったものの、面と向かって問われると困ってしまう。
『私は、』
友人が欲しいか。
心の奥底ではほしいと思っているかもしれない。でも、
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『父さんの仕事をすると決めてから、覚悟したんです。父さんが幸せな日常を送れるようにお手伝いするのが自分の務め。友人を作ることはその務めには必要ないと思う。』
ルパン「くっふふふ、優等生もビックリな意見だねぇ〜」
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こんな、くっふふふって笑う人、初めて見た。
その変な(個性的な)笑い方には、裏では「本当にそうなのか?」と私に問いかけているように感じた。
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でも、嘘をつき続ける自分への嫌悪感に私は耐えれる気がしないし、何より色んなことを気にしなければいけないことが面倒くさい。
でも本当は、父さんとルパンような関係を築ける友人が欲しいと思っているのかもしれない。
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朔(プロフ) - 小説を書いたことのない私なので大したことない感想しか言えないのですが、構成?がしっかりしてて読みやすいなと感じました。次の更新がいつになるかわかりませんが、楽しみに待ちたいと思います。素敵な作品に会うことができ、とても嬉しいです。応援しております。 (2019年8月31日 21時) (レス) id: b04719a6f1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 更新待っています笑頑張ってください応援してます笑 (2019年7月5日 13時) (レス) id: c293b9e325 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 更新とても嬉しいです!すごく大好きなお話なのでこれからも応援してます♪ (2019年5月3日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
れい。 - めちゃめちゃ面白いです!!!更新頑張ってください!(≧∇≦) (2019年5月2日 1時) (レス) id: bbafcd59f2 (このIDを非表示/違反報告)
まいやん - 続編おめでとうございます!待ってました!!更新頑張って下さい。応援してます(^o^)/ (2019年4月28日 22時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:235711 | 作成日時:2019年4月28日 21時