野良猫6《名探偵コナン》

未熟者17 ページ40

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『うげ、ベチョベチョだ...』

もういいや、この混乱に紛れてさっさとここから抜け出そう...と、濡れて気持ち悪いフェイスマスクをビリッと取る。

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すると背後からポンと誰かに肩を叩かれた。
振り向くと、真剣な顔のとっつぁんが。
ドキッと心臓がなる。

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私が誰かは分からないはず。


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銭形「…ん？お前どっかで……」

『気の所為ですよ』



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顔出したの1回だし…大丈夫だよね？？
それにあれから月日も経っている。
一人の女子を覚えているとは限らない。

冷静を装い、にこりと笑って目を逸らした。
すると背後からポツリと小声で...



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銭形「...そうか。無事だったんだな」

『！』

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とっつぁんの声に私の目が見開かれる。
逸らしていた目を向けると、まるで親が子供に向ける暖かい目で私を見ている銭形警部。
そして何事もなかったかのように、他のキースや王女の方に目を向けた。


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私を捕まえようともしない雰囲気を見て、近くにいるルパンに目を向ける。
ルパンも私もとっつぁんのやり取りを見ていたようで、私を見て微笑んだ。

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ルパ「この間に逃げるぞ」

『...うん。』


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私はその水を吸い込んだジャケットを重そうにして歩くとっつぁんの背中を見て微笑む。


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その私の姿にルパンが“ある物”を向けていたことに気づかなかった。



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