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降「今日は実家に戻るのか?」



「……えっと……飲みに行きたいの?」


降「っ!?はあっ!?どうしてそうなるんだよ……」


何の脈絡もなくこの後の予定を聞かれたもんだから、もしかしてサシ飲みデビュー?と思ったんだけど違うようで。

「だって、さっき元気なさそうだったし。」

降「……1日目でびっくりするくらい働かされたけど、大丈夫だ。ちゃんと元気さ。」

「そう?」


なら何なんだろうなー、なんて思いながら、二階の出口近く、エントランスの真上に到達したので綺麗な階段を並んで降りる。


業務終了時間なんて、ここにはあって無いような世界なのかもしれないけど人通りはお昼よりも格段に少ない。

そのまま来た時と同じように、ピッとカードをかざすとゲートが開いて出口へと誘われる。

降「俺は今日から単身アパートだから、Aはどうなんだろうと思って」

「ああ!そういうことかぁ。私今日は実家に帰るし、暫く実家通いだけど早く一人暮らし用の部屋見つけないとね。」

降「そうだな、今日の感じだと、終電無くなるまで平気で働かされそうだし。」

「うん。噂には聞いていたけど、ほんっとにハードそうだね…」


ヴォーン、と開く自動ドアをくぐり、陽が落ちたことで少し肌寒く感じる外へと出る。


「私たち、本当に帰っちゃって良かったのかな」

降「まだまだ仕事は山積みっぽかったけど、流石に俺たち新人を遅くに帰したらあの部署の面目が立たないんじゃないか?」

「………確かに。ってことは明日からすっごく大変かもなー」

降「だな。とにかく今日は帰ってゆっくり休もう。」

「そうだね。」


私より背が高い降谷くんと並びながら、自分には想像もつかない世界にやってきてしまったと改めて思い直す。
前世でも警察官だったとはいえ、私はまずは交番勤務からスタートした平凡な警官の内の一人。加えて地方の警察学校出身だったもんだから、周りに降谷くんや松田くん、萩原くんのように交番勤務をすっ飛ばしていきなり現場に出る優秀な人はいなくって。こういう道を進む人たちがいることは、噂では知っていたけどやっぱり夢物語のような気がしていた。

だから、未だどこか信じられないまま今日一日が終わってしまって。『今日はゆっくり休もう』と隣で降谷くんが言ってくれたから今すごく落ち着くことができたけど、もし降谷くんがいなければ私はどうなっていたんだろう。

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ののか - この作品のファンです!応援してます! (4月4日 22時) (レス) id: dc038c192f (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます😭大好きって言ってくださるあおいさんがとっても素敵な方です‼︎心からそう思います!!更新頑張りますねー! (8月12日 17時) (レス) @page6 id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!もうこの作品が大好きすぎてやばいです!!!更新頑張ってください!!!!! (7月31日 16時) (レス) id: 418dda50ad (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 光さん» 光さん!温かいコメントをまたありがとうございます☺︎やっとやっとの公安編ですー!降谷さんとのキュンキュンも書けます!これからもこの作品をよろしくお願いします! (7月27日 23時) (レス) id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編おめでとうございます☺︎これからの展開も楽しみです。密かながら応援してます! (7月22日 20時) (レス) id: c03f77c018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空 | 作成日時:2023年7月19日 23時

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