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降「お疲れ様。」


無事書類整理も終わり、「これで警視のデスクに置けるよ!」と、あの物腰柔らかさんに沢山感謝をされて、今日は帰っていいよと言ってもらえた。

まだまだ帰れなさそうな皆さんに申し訳なさを感じつつ、取り敢えず最初に書類をファイリングしていた場所に避難させていた手荷物を回収して、帰り支度を進める。

もう一度辺りを見回して手伝えそうな雑用が無いことを確認してもう帰ろうと扉を開けると、開けた先の廊下には降谷くんが居て冒頭に戻る。

「……降谷くんも!…今から帰り?」

降「ああ。」

「じゃあ途中まで一緒に帰ろうか。」


そういえばこの建物の2階の、奥の奥が私たちの部署だった。お昼に受けた説明がかなり昔のことのように感じながら、二人で並んで廊下を歩く。

「さっき、助けてくれてありがとうね。」

降「ああ。あの後無事に動いたか?」

「うん。お陰様で!」


良かった、と漏らした降谷くんが少し落ち着きのない様子でソワ、と自分の首元を触った。

何だろう、と一瞬思ったが直ぐに原因に思い当たる。
急いでショルダーバッグの中から丁寧に折り畳んだ彼の制服を取り出す。

「ごめんっ、ジャケット返すの忘れてた…」



やってしまった、ごめんなさい、もしかしなくてもこれのせいで私を待っていたのか。色を失いながら降谷くんに制服を差し出すと、


降「……いや、全く問題ない。というより、Aを待つ口実ができて良かった。」


そう爽やかに言いつつ制服を受け取ってもらえ、安堵する。

「私を待つ口実?」

降「……一緒に帰りたかったから。」

「え?……そっか、今日大変だったんだね?よし分かった、私でよければ何でも話聞くよ!」


そうだ、私たちは唯一の同期!!何でも頼って!と思いながら告げたこの言葉。降谷くんを元気付ける方法を思案している時、降谷くんが頭を抱えているなんて知らずに拳をぎゅっと握った。

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ののか - この作品のファンです!応援してます! (4月4日 22時) (レス) id: dc038c192f (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます😭大好きって言ってくださるあおいさんがとっても素敵な方です‼︎心からそう思います!!更新頑張りますねー! (8月12日 17時) (レス) @page6 id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!もうこの作品が大好きすぎてやばいです!!!更新頑張ってください!!!!! (7月31日 16時) (レス) id: 418dda50ad (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 光さん» 光さん!温かいコメントをまたありがとうございます☺︎やっとやっとの公安編ですー!降谷さんとのキュンキュンも書けます!これからもこの作品をよろしくお願いします! (7月27日 23時) (レス) id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編おめでとうございます☺︎これからの展開も楽しみです。密かながら応援してます! (7月22日 20時) (レス) id: c03f77c018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空 | 作成日時:2023年7月19日 23時

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