あなたを守るよ。2【降谷零】【名探偵コナン】

72: side 降谷 零 ページ26

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工「なあに？新ちゃん。」


そう言ってAはふわり、と微笑み新一くんの方へ体を向ける。

新「その人、日本人なのか？」

工「ああ・・・彼はねえ、きっと外国の血も混ざった日本人なんだろうな。勿論、国籍はアメリカだよ？でも新ちゃんが聞いてるのってそういうことじゃないよね。」

新「うん、、。」

工「名前はね、漢字四文字の日系人。でも生まれは海外らしいよ。」

新一くんの質問に誤魔化すことなく答えたAは、そう言って新一くんの頭をふわり、と撫でる。


工「そっか！俺、姉さんが家にいない時何度か“アカイさん”からの電話受けたことあんだぜ！」

Aに頭を撫でられながら何処か誇らしげに言う新一くんを見て、少し心がモヤ、とする。

Aを勧誘し続けるFBIの名前は、アカイさん、か。
Aの回想を聞いて何よりも驚いたことは、Aの出身大学があのハーバード大学だったということ。
・・・そりゃFBIも喉から手が出るほど欲しくなる人材だろう、と思うが何よりAは日本人だ。

FBIになど、くれてやるものか。

心の中でそのアカイ、と言う日本人らしき男に対抗心を燃やしていた俺は、この時まさか知る由もなかった。


この先この男がAを巻き込んで、俺がなんとしてでも食い止めたかった状況にAを連れていくことになるだなんて。
そしてそのせいで、このアカイと言う男を一生恨むようなことになるとは。

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