64: side 諸伏 景光 ページ17
・
新「間に合った！！」
そんな声と共にバタバタバタ、と走ってきたのはお風呂上がりの新一くん。
新「諸伏さん、隣いい！？」
まだ乾いていない髪の毛と、その水分に逆らうぴょこん、と出たくせ毛が可愛いなと思いながらおいで、と返す。
わくわく、と声が聞こえてきそうなくらい新一くんが高揚している理由は、今日放送の特別ドラマらしい。
"アガサ・クリスティの小説を、新たに解釈し直した全く新しいミステリー"と銘打たれたドラマは実はオレもかなり気になっていたから、新一くんと一緒に見る約束をしていた。
新「あれ、姉さんは…？」
ふと新一くんがAがこの部屋にいないことに気がついた。
松「Aなら部屋だと。」
よっこらせ、と胡座で床に座り込んでいた松田が立ち上がりながら答える。
新「えええー、姉さん部屋行っちまったのかよー…。」
松「呼ぶか？」
そう言いつつ、松田が携帯を開く。
降「メールするのか？わざわざ？」
松「あいつ、携帯3日前に買ったんだと。メールの使い方も分かってなかったからちょくちょくメール送って練習さしてやろうと思ってよ。」
萩「あら！じんぺーちゃんったら良い男〜！…にしてもAちゃん、意外と機械音痴なのかね。」
松「…さあな。あいつ、アメリカ帰りだって言ってたしそのせいなんじゃね？はじめに連絡先登録しろ、って言った時もガラケーなんて使えないってほざきやがって。ガラケーってなんだよ？」
松田が少し不機嫌そうに呟く。
降「がらけー？」
萩「なんかの略？」
「…何をどう取ったらそうなるのか分かんないな。」
新「ガラ…携帯?」
聞いたことのない名称に、みんなが思い思いに疑問を口に出す。
降「………ガラパゴス携帯」
「「「「え？」」」」
不意にゼロが呟いた、単語。
降「確か、この携帯電話の正式名称だったような気がするんだが…。わざわざそれを出してさらに変なところで切るなんて、何考えてんだアイツ。」
ふむ、と顎に手を当てて考え込むゼロに、松田が「天才ってそんなもんなんじゃね？」なんて適当に返しながら早速メールを打っている。
「…松田、打つの速いな？」
松「手先が器用なもんでね。」
ニヤリ、と口角を上げた松田がぐっとボタンをプッシュし、携帯を閉じた。
松「こっちこいよーって送っといたからな。」
わしゃり、と新一くんの頭を撫でながら、松田は満足そうにそう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1606人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青空(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！！！とっても嬉しいです‼︎ (6月29日 21時) (
レス) id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 大好きです！！！！！更新頑張ってください！！！待ってます！ (6月19日 7時) (レス) id: 418dda50ad (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 1日遅れですが読みました！続きが気になりすぎます！これからも応援してます！ (5月29日 21時) (レス) @page41 id: 264214b0c8 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - ホワホワさん» いつもありがとうございます‼︎今日出したお話も楽しんでくださいね‼︎🌸ホワホワさんのコメントに助けられて3つも更新できちゃいました！🤭 (5月28日 23時) (レス) id: d616d8a279 (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - めっちゃ面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (5月25日 22時) (レス) @page38 id: fb5e568a3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青空 | 作成日時：2022年5月3日 9時
