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59: side 萩原 研ニ ページ12




装飾用建材の鉄、ロートアイアン。あの鉄の門扉に用いられている材料はこれで決まりなんだろうな。
雨に強く、同じ金属のアルミなんかと比べて桁違いの強度を誇る鉄。


…あーあー、やだねぇ。じんぺーちゃんに連れられて工具店ばっかり行ってると変なところ見ちまうようになったでしょうが。
あんな立派な鉄の門を構えて、さすが藤峰有希子の家だなぁと思う。多分、こいつらだって。誰も口に出さないだけで、各々色んな思いが渦巻いてるんだろう。


工「ただいまー」

Aちゃんがガチャリ、とドアを開けるとふわりと香る、Aちゃんの匂い。

工「母さんと父さんは?」
新「父さん、昨日からずーっと書斎にこもってるぜ。母さんは張り切って台所で料理作ってる。」


「お邪魔します。」

一言、言いながら広い玄関に足を踏み入れる。

松「うわっ、すげーな…。」

隣で松田が俺と同じように驚いてる。足を踏み入れた瞬間、俺たちを出迎えたのは広い天井と大きな階段。

「こりゃ、すごいとこに来ちまったな。」

ぼそっと幼馴染に告げると、ああ、と心ここに在らずな様子で一言返される。

諸「綺麗なお花・・・」
降「この花瓶…クリスタルガラスじゃないか…?」

もう一組の幼馴染組からも驚きが伝わってくる。

工「靴はそこに並べといてね。スリッパ要る?」
「いいよいいよ。」
工「はーい。」


工「じゃあ荷物持って、こっちね。」

玄関から右手に見える扉を開けると現れた、応接間らしき部屋。

新「俺、母さん呼んでこようか。」
工「んーん、私が呼んでくるね。」

ありがとね、とニコニコ笑うAちゃんと、彼女に頭を撫でられて少し不満げな新一くんの顔を見比べると確かに似ている。・・・やっぱ兄弟なんだなあ。ポウとぼんやりしていると不意に思い出した、左手の重み。

「っ!!・・・お土産!」
工「あ、そっか。じゃあ萩原くん、一緒に行こう。」

急いで荷物を下ろしてAちゃんの元に行くとお土産ありがとね、と言ってくれる。

「有希子さんだよね。」
工「うん。絶対、おばさんって言っちゃダメだからね、頭から、鬼のツノが生えるの。」
ククク、とおかしげにAちゃんが笑う。

「かしこまりましたぁー」
萩原くんが真面目だあ、と笑うAちゃんと二人でまた、ククク、と笑った。

60: side 萩原 研二→←58



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青空(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます!!!とっても嬉しいです‼︎ (6月29日 21時) (レス) id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 大好きです!!!!!更新頑張ってください!!!待ってます! (6月19日 7時) (レス) id: 418dda50ad (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 1日遅れですが読みました!続きが気になりすぎます!これからも応援してます! (5月29日 21時) (レス) @page41 id: 264214b0c8 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - ホワホワさん» いつもありがとうございます‼︎今日出したお話も楽しんでくださいね‼︎🌸ホワホワさんのコメントに助けられて3つも更新できちゃいました!🤭 (5月28日 23時) (レス) id: d616d8a279 (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (5月25日 22時) (レス) @page38 id: fb5e568a3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空 | 作成日時:2022年5月3日 9時

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