あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

7: side 阿笠博士 ページ9

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「この記号は！？」

キラキラとした瞳でパソコンをいじっている、5歳の少女。


阿笠「それはのう、その指令をもう一度繰り返す、という意味での、」


「あ、ってことは・・・


これをこっちに持ってきて、


でここにこの繰り返し記号を入れて・・・」


ねえ博士！あってる！？私出来てる！？


先ほどまでパソコンに向けていたキラキラな瞳をそのまま向けられた阿笠は、
目の前の聡明な少女を可愛いと思いながらも少々困惑していた。



隣の屋敷のお嬢さんは あまりにも賢すぎる。



若手推理小説家でありながら数々の文学賞を受賞し、国内で名を知らないものはいないのではないかと思われる、あの工藤優作先生のお嬢さん
奥様はなんとあの藤峰有希子だ。
19歳の時に大女優として数々の賞を受賞するなど伝説を残したが、工藤優作との大恋愛の末、弱冠20歳で芸能界を引退。
そんなニュースが日本中を駆け巡る最中、胸に赤ん坊を抱いて、二人が引越しの挨拶に訪ねてきたのだ。


「お隣さん」のよしみだけでなく、友人としてこんな発明家と仲良くしてくれるできた人たち

何があっても守ろう、そう心に決めたことは恥ずかしくて誰にも言えていない。

静かに見守ろう。
でも頼られる友人になりたい

そんな思いもあり、日々新しいもの作りやコンピューターのソフト開発を行なってきたのだが。。。



「ねーえ、博士ったら〜おなかすちゃったの？」


きゅるるん、とした目づかいや表情が本当に有希子さんに似ている。
でもこの子の瞳は優作さん譲りの、賢そうな瞳。


「すまんすまん、Aを見ているとの、Aたちが隣に引っ越してきた時のことを思い出してしまってのお」


「あはは、博士どうしたのよ！言葉遣いだけじゃなくて考えることまでおじいちゃんみたいになってるよ！博士まだ若いんだからそんな思い出に耽んないでよ〜」


「えええ、わし、そんなおじいちゃんみたいかのお・・・とほほ・・・」


「博士が本当のおじいちゃんになるまでに、ちゃんとAを博士の結婚式に呼んでね？』


約束ね！と小指を出す目の前の少女に、どうしても頬が緩んでしまう。

何気ないお茶目な可愛さや、人を傷つけない優しい心が
この子は工藤一家の一員なのだと物語っている。


「Aはそのまま優しい子に育ってくれぇ」


そう言いつつ、阿笠は自分の小指をAの小指に絡めた。

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