あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

43 side: 降谷 零 ページ45

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…見えた。


3階の奥の、扉が軋む古そうな部屋。
中から明かりがじんわり漏れ出ているあたり、詰めが甘いなと思ってしまう。

まあ、あいつらに完全犯罪を求めるのも見当違いということか。

ふっと笑みを漏らし、扉を開けた。


「おい、お前ら。外に明かり、漏れてたぞ。」


萩「…っ！？降谷ちゃんじゃないの！！」


「俺とヒロも一緒に教えてもらって良いか？」





＿＿＿＿


工「つまり私、最初から間違ってたんだ。」

松「そーゆーことだな。」


Aが真剣な顔でポツリと漏らすと、松田が気怠げに答える。
否、松田が気怠げな返答をするのはいつものことだったな。

工「じゃあまずはこの電波受信機を見極めろってこと？」

松「ああ。電波受信機につながるコードさえ切っちまえば遠隔操作は不可能になる。」


松田がボロ部屋というもんだから、中は大層散らかっていると思っていた部屋。だが、中は機械や工具、コードと模擬爆弾、解体書がたくさん置いてあるくらいで埃っぽさもなくきちんと整理されている。…隙間風が吹き込みそうな穴や歪みはたくさん見つかるのだが。

今はさっきAが失敗した爆弾のトラップを松田が解説しているところだ。

萩「電波受信機って簡単そうに言うけど、この液晶に繋がるコードと電波受信機に繋がるコード、どっちも同じにしか見えないんですけどー」

萩原がむむむと言いながら図面を見つめる。


諸「俺、今日思ったんだけど、解体図なんて見なくても全部のコードいっぺんに切っちゃうのが楽なんじゃないのか？」


松「…いや、それは自 殺行為だ。」

いいか？と松田がヒロに一から爆弾とは何たるかを説明し始める。切る順番が決まってるだの、間違えたコードを切ると爆発するものがあるだの、目を爛々とさせて話す。


松「…まあ、解体図をしっかり読めるようになったら勝ちだ。それで、だ。萩がさっき言ってた、電波受信機のコードの見極め方。」

ポイントはここに書いてあるBPFって文字で…。

普段の学校での講義がこんなに難しい内容なら真っ先に机に突っ伏す萩原が、真剣に聞いている。
諸伏も頭にハテナを浮かべながらなんとか着いていって、Aは言うまでもなく。早速理解した顔をして楽しげに聞いている。


工「つまり、、私はこのコードを真っ先に切った上で、順番通りにコードを切らなければならなかったってこと。」

松「ああ。」


よく出来ました、と言わんばかりに松田がわしゃわしゃとAの頭を撫でる。

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