あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

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父さんお願いだよ〜！

と、向こうでテレビを見ている優作さんに新ちゃんが何かを懇願している。

なんだと思っていたらヒソヒソと、有希子さんの声が。

有「ねえAちゃん。」

「なあに？母さん。」

有「Aちゃん、もしかしてこの中にボーイフレンドでもいるのかしらん？？」

「ボッ！！？」


ボーイフレンドって！！有希子さんっ！！
思っても見なかった言葉に動揺して急に大声を出したもんだから、優作さんと新一くんまでこっちを振り返る。

「あ、あは、…どうもしてないよー…」

二人に声をかけると、新一くんは何事もなかったかのように今度は優作さんの身体によじのぼり始めた。
…結構わんぱくだな。

有「Aちゃん〜、もしかして私には教えられない？？」

きゅるるんっとした瞳で有希子さんが私の目を覗き込んで…
…可愛い。猫被ってるんだって分かってても可愛い。なんでも言うこと聞いちゃう。可愛い。有希子さん本当に可愛い。


「えええそんなこと…////」


おっとハニートラップとはこう言うことか。可愛さでゴリ押すのがハニトラなのか。まさかこんな身近にハニトラの師がいたとは、恐るべし大女優…。

有「あっらーんっ、Aちゃん可愛いんだから！恋する乙女の顔になってるわよ！！それでそれで！？誰なの！Aちゃんのハートを射止めたナイトは！！」

大事なところを盛大に勘違いした有希子さん。私が照れたのは有希子さんに対してなのに、、、娘の恋愛事情がとにかく気になるご様子で、声を潜めて楽しそうに尋ねてくる。

「恋する乙女って…笑！楽しそうな母さんが可愛すぎて、まんまと母さんのハニトラに堕ちちゃったんだって」

苦笑とともに、有希子さんに返す。

有「んんんん"Aちゃん〜っ」

我が娘ながら可愛すぎるわ…と言いながら有希子さん撃沈。
なかなか手強いわね、とかなんとかブツブツ呟き始めたので、そうだこの機会にハニトラを教えてもらおう！と思い立つ。

「ねえ母さんっ、母さん女優時代にハニートラップ学んだでしょ。」

そう声をかけるとテーブルに突っ伏していた有希子さんがムクリ、と身体を起こした。

有「あら？そんな話、今までしたことあったかしら…？」
　
「今の母さん見てたら一目で分かった。私母さんの可愛さでなんでも喋りたくなったから。」

と伝えると、有希子さんはあらら？とワクワクした顔に。どうやら私の言わんとすることが伝わったようだ。

「母さん、私にもその術、教えてほしいなぁ！」

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