あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

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「〜♪」
警察学校に入学して1ヶ月が経過した土曜日。
やっと外出できるようになって、意気揚々とワンピースをクローゼットから出す。

姿見もない殺風景な部屋で、きっとワンピが似合っているだろうと信じ込んで出発の準備をする。カーテンを開けると、外は晴天。
緑の葉っぱを茂らせた樹木が風でさわさわと音を鳴らしている。



5月半ば。
世間が浮かれる大型連休は外出禁止期間で少し寂しかったけど、外との連絡手段が数えるほどしかないこの場所では思ったほど辛くなかった。
それに馬鹿騒ぎが大好きな5人と一緒にいたしね。

「ふふ」

新しくコルクボードに増えた一枚の写真を見て笑みが溢れる。
私と、5人。ピースで囲んでいるのは鬼塚教官。
射撃訓練の最中にある事故が起きて、私たちが鬼塚教官の命を救ったのだ。

「みんな、いい顔してる。」

あの時は本当に肝が冷えた。人が首を吊って宙ぶらりんなんて初めて見た光景で、「死」が目の前にある感覚に寒気がした。

そんな状況で咄嗟に判断して動くみんなのことを改めて尊敬したし、私も役に立つことができて誇らしかった。

拳銃、弾、射撃、土台、支え、つっかえ棒。

拳銃は松田くん。
弾は萩原くん。
射撃は私。
土台は伊達班長。
支えは諸伏くん。
つっかえ棒は降谷くん。


みんなそれぞれの得意分野を活かして。本当に心強い仲間で、私たち6人が集まればなんだってできると思ってしまう。


…そうだ。
この写真、持って帰って有希子さんと優作さんに…

と思ったんだけど。前世の私が、ブレーキをかける。
この世界の出来事は、物語だ。

新一くんにまで見せるとまずいのかな…原作ではコナンくんが降谷さんのことをまずバーボンだと思って、あの時のコナンくんの警戒心がまた読者のドキドキを駆り立てて、より降谷零が魅力的な存在になる要素で…

…悩む。
悩む、けれど、純粋に新一くんと警察学校組の絡みが見たいと思ってしまう。姉として。
どうしようかな


今ものすごい選択に迫られている気がしてならない。

…でもなぁぁ、
新一くん、7歳の時に赤井さんと会ったこと忘れてたし。うん。ワンチャンいけるよね？？




決めた。
工藤Aは私情に従順に生きることにいたします。
だって！ね！！見たいよね！？絶対面白いじゃん！！
やばくなったら責任を持ってなんとかしますので！！！


ごめんね、神様。
原作軸捻じ曲げちゃうかも！

神様に詫びつつ、コルクボードから写真を剥がして鞄に入れた。

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