あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

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…つ、つかれた…


今日の疲れを癒そうと、早めにやってきたお風呂。
だけど大きな浴槽に一人ぼっちも少し寂しい。

でもこんな機会、そうそうないよなぁ。
そう思ってお湯に浸かりながらぐりぐりと全身をマッサージしていく。


っ、いててて
右のふくらはぎ
さっきの逮捕術の授業で少し痛めてしまったところ。


相手が女子だけだったと言っても、今日相手したのは9人。毎日欠かさず筋力トレーニングに勤しんではいるけれど、流石にキツい。


「伊達班長、やるなぁ。」


女子の人数が少ないから私は全員抜いても9人。
それで今も疲労を引きずるくらいにクタクタになったのに、伊達班長は10人抜きをしていた。

スイスイスイっと浴槽の端に寄って、ひんやりとした縁に持たれ掛かる。


「涼しい顔して。体力お化けかな」

屈強な大男相手に10人抜き。
私には到底できそうにないから、体格差はどう頑張っても埋められないと挫けそうになる。

ピシャッ

だめだめ。ここで挫けちゃだめじゃない。
熱いお湯を顔にかける。

パンっと顔を叩いて、なんで私がここにいるのか、再確認。



そうよ。私はあの5人を救うんだから。
誰よりも強くなる。…頑張らなきゃね。



こんど伊達班長に会ったら疲れにくいコツとか聞いてみようかな。もしかしたらもっと上手に身体を使えるかもしれない。

そんなことを思案しつつそろそろみんな来ないかなあと思っていたらガヤガヤと女の子の声。


ガラガラガラ


「あーーー！Aちゃん！早いねぇ！」
『えへ、ちょっと早すぎちゃった。』


「かっわいい！」

同じ教場の子たちに混じって、初めましての人たちもいる。

「わあ、工藤さんだよ！」
「え？工藤さん？」
「知らないの！？鬼塚教場の！」
「あ、あの子ね！違うわよ、顔しか知らなかったから」
「あの子、あれよね。」
「そうそう！」



「お姫様！」



…え？



「あの子なの！？噂になってるよね〜！」
「でも思ってたよりもっと可愛いじゃん」
「だってあの面子とつるんでるんだもんねえ」
「まって？お姫様って？」
「知らなかった？王子と一緒によくいるー」
「あ、鬼塚教場の王子と姫ね！」




…王子？




おうじ？

ひめ？


なんだなんだ、もしかして私とあの5人のこと？
ちょっと待って、私たちのことが噂になっているなんて聞いてない。
それよりなんだ、その恥ずかしい名称。

湯船に長時間浸かっていたのと恥ずかしさが相まって、頭がクラクラする。



…早めに退散しよう。

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