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松「なあ、工藤。」
「?松田くんじゃない!」
1日の授業が終わり、不運なことに私は教官に頼まれたプリントを教官室まで提出しに行っていたから、もう誰も残っていないと思っていた教室。
なのにそこには松田くんが一人、立っていた。
松「お前よ、」
時の流れがゆっくりになった感覚に戸惑いつつ、次に彼から発せられる言葉を待つ。
松「ちっせえ弟、いるんだな。」
…ドキン…
思わず顔を上げると、何を考えているのかさっぱり分からない松田くんの顔。
両の手はポケットに突っ込み、窓から差す夕日のオレンジが彼の顔にコントラストを作っている。
…見てた?
少し、遅れて教室に入った。
理由は家族との別れを惜しんでいたから。
…どこまで?
何をみた?きっと新一くんのことだ。
新一くんと戯れていたところには、有希子さんも優作さんもいた。
『父さんや母さんのことを聞かれた時には…』
優作さんの言葉が頭に響く。
…ドキン、ドキン…
松「あと、おめえ家族に有名人、いるよな?」
…!
単語が聞こえた時には身体が反応していた。
あのおしゃべりな口を止めないと。
家族のことを、守らないと。
プランもないのに、身体が勝手に松田くんの方へ向かう。
そして気がついた時には…
松「おめえ俺の命狙ってんのか」
顔を壮大に歪めた松田くんを肘ドンしていました。
松「おい、」
「…助けて…」
松「は?」
「腕がプルプルして、、動けない」
松「…筋肉足りてねえんじゃね?主席様がこんなんで」
「早く助けて!!?」
松「ふっ、アホじゃね?」
から笑いをして、松田くんはひょいと私の肘をロッカーの壁から外した。
「きゃっ、」
体重を支えるものを失った私は、そのまま松田くんの胸板に…飛び込まなかった。
流石ボクサーとも言うべきなのか、素早く脇に手を差し込んですっと直立の体勢に立て直してくれた。
松「…顔、よく見れば似てる。」
そしてまじまじと顔を覗き込んでくると思ったらこんなことを言ってくる。
「ねえ、…見たの?」
松「そうだな、見たかと言われたら見たになるんじゃね?」
「…周りには誰もいなかったはず」
松「聞きたいか?」
「是非とも。」
松「男子トイレの小窓がちょうど外に面しててよ?しょんべんしてたら見えちまった」
「…はっ、」
松「はっ、流石に便所まで気回んねえわな!」
だめだ、さっぱり理解できない。
目の前の男は未だに私を至近距離で見つめて、しまいには大笑いしてしまった。
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青空(プロフ) - cherry*さん» cherryさんありがとう!ヒロやみんなのこと、再現できているみたいでよかった。作者が見切り発車するせいで僕と主人公が公安警察に所属するのはいつになるやら…。だけどまだまだ警察学校での楽しい日々は続くから一緒に楽しんでくれ!降谷。 (2022年4月29日 23時) (レス) id: 04a0a3d78f (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - このお話大好きです、、!一つ一つのキャラがしっかりしていて、崩さずに主人公とお話させてるのほんとに天才だと思います!!めっちゃ応援してます!(あわよくば降谷希望です、、、) (2022年4月29日 20時) (レス) id: c527621d7e (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - belleさん» わあわあわあわあ!!!!こんっなに嬉しいコメントありがとうございます!私の妄想が暴走しないように頑張ります笑とりあえず警察学校組と新一くんを絡ませたい今日この頃です。。早く降谷さんとくっつけ!て思うんですけど汗。更新気ままに頑張ります!! (2022年4月19日 21時) (レス) id: 8bcc0b53e4 (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - 初めまして!久しぶりに見入っちゃう小説に会えて一気見しちゃいました、笑 降谷さんと結ばれるの楽しみです^ ^更新楽しみにしてますね! (2022年4月19日 0時) (レス) @page41 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 読者さん» 嬉しすぎます‼︎早く警察学校組を出したくて出したくて(笑)読んでくださってありがとうございます!感想頂けて私飛んで喜んでます♡ (2022年4月3日 15時) (レス) id: 8bcc0b53e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空 | 作成日時:2022年3月28日 19時