あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

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鬼「この制服も、国民が一生懸命働いて納めた税金で作られているんだからな。大切に着るように。」


私たちがこれから着る、警察官の制服が配られた。
だけどわぁー、とかかっこいいー、なんてミーハーな声は聞こえない。
きっとみんな制服に憧れもあって警察官になっただろうに、制服を受け取ったことへの喜びを口に出すことも憚られるほど鬼塚教官の威厳は凄まじかった。



鬼「そしてここは警察学校ではあるが、諸君らは働きに来ているのだ。学校気分でおるようなやつはいらん！即刻帰れ！この学校も、備品も、諸君らの食事代も、全て国民の税金からまかなわれていることを忘れないように。

では今受け取った制服を着て、もう一度この教室に集合せよ。5分で着替えるように。」


鬼塚教官がいい終わり、わあっと一斉に更衣室に走る生徒たち。
私も流れに続いて、女子更衣室に向かった。




女「やばすぎなんだけど！？鬼塚教官怖すぎじゃない！？」

女「ほんとそれ！どうしよう私失敗して退学させられそう…」

女「私こんな厳しい場所だと思ってなかった…」



各々急いで着替えながら、教官の陰口を叩いている。

私は人生2度目の警察学校だし、慣れたもんだ。確かに初めての時は怖かったなぁ、なんて思いながら着替えると、誰よりも早く着替え終わってしまった。



女「工藤さん、着替えるの鬼早じゃん！」


「え、へへ…」


2度目の警察学校生なんですなんて、やっぱり言えないよなぁぁ


「あ、れ？私の名前…？」


女「あ、ごめんね！さっき萩原くんたちと話してるの聞いちゃって！工藤Aさんであってる？」


「うん、あってるよ。」


女「ねえ！Aちゃんって呼んでもいい！？」


「うれしい！ぜひぜひ！」


女「私も！Aちゃんって呼びたい！！」


「うん！よろしくね！」


そのあと時間ギリギリまで、みんなから可愛い可愛いの猛攻撃を受けた。



「ねえそろそろ時間が…」




気づいた時には4分経過。みんなおしゃべりな口を一瞬でつぐんで蒼ざめた。




滑り込んだ教室には、すでにピシッと制服を着た男子生徒たち。

さっきのリクルートスーツとは全然違う、キリッとした顔に変わっている。


そんなみんなの姿を見て、私も背筋がしゃんと伸びた。





みんなが揃ったところで鬼塚教官から今日の入校式の作法を学び、段取りを確認して、いざ___入校式が、始まる。

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