あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

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意を決して、萩原くんの目に焦点を合わせて言葉を発する。

「話しかけてくれてありがとう。怖くなかったからね？私の名前は、工藤Aだよ。萩原くん、よろしくね。」


差し出してくれた手に自分の手を乗せると交わされた、握手。


生きてるんだな。

彼の暖かい手のひらに、細くて骨張った手に、感動した。



萩「………」

「…？」

萩「………ニコッ、…」

「…？、？…」

松「…おい、萩原テメェ手ェ離せ！」


なかなか離されない手に戸惑っていると、松田くんがこう言ってバシッと萩原くんの手を握って上に上げた。


萩「ああああ…。ねえちょっとAちゃん、キミほんとかわいいねぇ。俺こーんな可愛い子、会ったのハジメテ！」

片手を松田くんに拘束されたまま、もう一つの空いた手を彼の頬にやり、うっとり…といった表情で萩原くんがクネクネと動く。

松「おぉぉいハギ！お前キモ！もう喋んな！
あと工藤！」

「…はい！？」

松「俺の名前は松田陣平だ！よろしくしてやるぜ！」

「…！松田くんも…、よろしくね…」

萩「よろしくしてやるって、それはないでしょ陣平ちゃん！？」

松「あ"あん？何がいけねえんだよ。」

女の子に対して言葉遣い荒すぎでしょ！
_どこがだよ！


ぎゃあぎゃあ二人が言い争って、目の前で繰り広げられる光景をまだ信じることができない。
二人が話しかけてくれた。私の名前を認知してくれた。びっくりしすぎて松田くんによろしくされた後、私大丈夫だったカナ、記憶が曖昧だ！

頭がパンク寸前のところで、不意に有希子さんの声が響く。

Aちゃん、仲良くやっていけそう？？

＿＿＿＿＿＿＿うん。仲良くやっていけそうだよ、母さん。


二人の様子に安心して、笑みが溢れる。
でも二人に気を取られていたところから我に帰って周りを見てみると、案の定、とても注目を浴びていた。


そのままぐるっと見渡すと、バチッとあった目線。




褐色の肌に、金髪が眩しい美少年。

…降谷零！

やっと会えた、と内心喜んだ瞬間、プイと不機嫌そうな顔とともに目線を外されてしまった。






鬼「うるさぁぁい！！おい、お前ら！集合時間だぞ！各自席に着いとかんかぁ！？貴様らここにお遊びに来とるんじゃないんだぞ！」



プイ、と逸らされた目は少し気になったけど、急に登場した鬼塚教官に気を取られて、降谷くんに目を逸らされたことなんてすっかり忘れてしまった。

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