あなたを守るよ。【降谷零】【名探偵コナン】

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こちらの全てを目線だけで喰ってしまいそうな、疑いに満ちた目を向けられる。

「…"社会経験"を積むため、両親にアメリカ巡りに連れられました。」


・・・・嘘ではない、耐えろ工藤A！


教「・・・ふん、そうか。その後10歳で中学校に入学し、13歳で卒業。

工藤、お前何度飛び級したんだ・・・」


舐め回すような先刻までの顔と打って変わって、教官が信じられない、と言った顔でこちらを見てくる。


教「13歳で高校に入学し、16歳で卒業。16歳でペンシルベニア大学に入学し、、、！？お前ペンシルバニアで犯罪学を学んだのか！…そして19歳で卒業。19歳、ハーバード大学に入学・・・、21歳で卒業・・・

これで本当に間違いは、ないか・・・？」

「間違いありません。」

教「ないんだな…はぁ、分かった‥。そこ、座っていいぞ。」



その後教官と少し世間話も交えながら今日の段取りを聞いた。
どうやらすっかり教官に一目置かれる存在となったようだ。強面が売りの厳しい教官がこれでいいのか、と呆れてしまうが、そもそも私がおかしいんだったと思い直す。


教「ペンシルバニアと言えば世界最高峰の犯罪学が学べる大学だろう。わざわざこんなところで学んで、ずっと警察官を夢見ていたのか？」

「・・・そうです。ずっと・・・。」

教「ふーむ。それでそのままハーバードとはなあ、いささか優秀すぎる気がしてならんし、…それに向こうさんも工藤のこと、放っておかなかったんじゃないか？」


「…？向こうさん・・・？」


教官の、その硬そうな分厚い皮膚の指が顎に持っていかれる。


教「向こうさんって言ったらそりゃ、あれだよ、FBIとか、CIAとか。工藤の経歴なんてまさに求められる人材じゃないか。」


「…、！…」

まさか、そんなことまで分かるのか。

「実は…」

・・・


職員「森本教官、そろそろお時間です。」

教「おう、ありがとう。」


じゃ、工藤。そろそろ行け。と促される。



話し込んでしまい、既に集合時間の１０分前。急いで教室に向かわないといけない。


「失礼しました。」

教「ああ。ま、なんだ。しっかり頑張りなさい。」

「はい、ありがとうございます！」

と言って扉を閉めようとした時、


教「ああ、そうだ工藤。伝え忘れるところだった。工藤は鬼塚教場だからな。502の教室に向かえ。」

「………！はっ、はい！！」

とんでもない単語が。


鬼塚教場…

ああどうしよう、顔のニヤつきが治らない


ワクワクが、止まらない。

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