太陽…という名の閑話休題 ２ ページ29
花京院Side
承太郎が本体を倒したことで、さっきまで昇っていた太陽が消え去り、今度は月が空に現れた。
「一気に冷えたね。さっきまで汗だくだったから尚更」
隣にいる灯に話しかける。彼女も少し寒いのか、僅かに身震いしていた。
『汗冷えして風邪を引かないようにしなくちゃね』
灯はそう言いながらブランケットに包まった。
それにしても冷えるな。焚き火に向かって手を伸ばす。…温かい。
承太郎やポルナレフも寒いようで、皆して焚き火に手をかざしていた。
絵面が何かの宗教みたいだ。
『…綺麗』
隣から小さく呟く声が聞こえて、ふと横を見た。
「…」
彼女の大きく見開かれた瞳が、夜空の星々を映している。夜明けの色の瞳はどこか輝いて見えた。
少しだけ風が吹くと、その金色も隠れてしまう。
(儚い)
僕は呼吸の仕方を一瞬忘れてしまったように、彼女に見入ってしまった。
ふと我に返る。…よく考えたら大分恥ずかしいことしてないか？人の顔をまじまじと見てたって。しかも女の子の。
少し熱くなる頬に気付かないふりをしようと、ジョースターさん達の話に耳を傾けた。流れ星の話をしているようだ。
「灯には何か願い事、あるのかい？」
少し気になったので聞いてみる。僕は意外と彼女のことを知らないような気がしたのだ。
『今丁度何か無いか考えてたところ。願い、というよりは目標なら沢山あるんだけど』
「はは、君らしいね」
無欲、というよりは努力家なんだろう。もしくは自分に厳しいとか。きっと彼女にとって「願い」は誰かに叶えてもらえたらな程度、「目標」は自分で叶えるものみたいな線引きがあるんだろう。
…考え過ぎか。
『そういう君は何かあるの？』
「そうだなあ…強いて言うなら、日本で承太郎や君と普通の学生生活を楽しみたい、かな」
『…いいね、それ。実現したらさ、君ん家にF−MEGAやりに行って良い？』
「ふっふっふ…僕に対戦を申し込むなら、それなりの腕前がいるぞ？」
『臨むところ』
そうやって楽しそうな声で返事をする彼女の顔は、逆光になって見えなかった。
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圧倒的睡眠不足(プロフ) - 柱の男の餌さん» 読んでくれる人が増えただけで号泣モンです…読んでくれてありがとうございます！最近スランプ気味なので更新遅いですがその一言でスランプを再起不能に出来た希ガス。頑張りますね！ (12月9日 18時) (
レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
柱の男の餌 - うおぉぉ…！なんだか世界観に引き込まれるような気がして一気読みしてしまいました！（語彙力）更新楽しみにしています！ (12月9日 17時) (レス) @page21 id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - えお気に入り登録増えてる…！？ありがとうございます！！ (11月25日 17時) (レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：圧倒的睡眠不足 | 作成日時：2023年10月21日 14時
