力 4 ページ21
灯Side
「…お姉ちゃん?」
ああ、いけない。アンの呼びかけで正気に戻る。
『ごめんね、ちょっと考え込んじゃって。でもなぁ、目的…やっぱり思いつかないや』
嘘だ。ごめんね、私にはとてもじゃないけど言えない。
「そっか。まあ旅の途中にでもきっと見つかるよ、目的っていうのはそんなものでしょ?」
アンは明るく笑う。いつの間にかシャワーから出て、タオルで体を拭いていた。
__その時だった。背後から視線を感じる。そこにはオランウータンがいた。
『っ!こいつ、さっきの…!アン、早く服を着て!!こいつのこの視線…』
気色が悪い。私達の体を上から下まで、舐め回すように見ている。特に服を着ていないアン。
『…おい、貴様。今すぐその目をやめろ。やめないなら__』
殺気を込めて、もう一言。
『殺す』
次の瞬間、
『…敵意アリ、か。なら容赦しない。アン、服を着たら念のため目を閉じて耳をふさいで、良いと言うまで開けちゃ駄目だよ』
純粋な子供は、こんなもの見ちゃいけない。エテ公に向き直り、飛びかかってきたエテ公に向かって、
トスッ
っと一突きした。心臓が止まる。…思ったよりも血とか出ないし悲鳴もあげなかったな、罪悪感が煽られなくて助かる。そんなことを思いながら、アンに声をかける。
『はい、もう良いよ。あ、やっぱり待って、目は閉じてて』
先にこのエテ公を海に還さなければ。
エテ公を海に投げ捨て、アンに目を開けるように言ったあと、船が歪む。
「灯!アン!船が歪んでいる、恐らくこれがスタンドだったんだ!なんで消えかかってるのかは知らないが、とにかく脱出するぞ!!」
…やっぱりあんまりさっさと倒さないほうが良かったかもしれない。
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圧倒的睡眠不足(プロフ) - 2024.3.2.現在、表現及び内容を少しずつ修正中です。表現が前のページと違う!という所があると思いますが気にしないでください。 (3月2日 14時) (レス) @page26 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - あ お いさん» おっとアンテ民ですね貴方、同士よ…というか何気にここの初コメですね、ありがとうございます!続編の方も良ければぜひ…!コメントグラッツェ! (12月17日 8時) (レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
あ お い(プロフ) - まーじで面白いですありがとうございます、、目かっぴらいて解説も読ませて頂きました。ここから全話読むと私もケツイをみなぎらせております。、、エウデッデ (12月17日 1時) (レス) @page25 id: c265b5a382 (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 星押してくれてありがとう!!!!(叫) (10月12日 20時) (レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 見てくれた君、本当にありがとう…もう泣いちゃう…最初の方はあんまり夢っぽくないけどそのうち要素ちゃんと入れるよ!安心してね!! (10月8日 21時) (レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:圧倒的睡眠不足 | 作成日時:2023年10月7日 15時