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第七話 ノアのルームメイト捜し ページ25

私は毎日走ってるし、入学する前に鍛えてきたから、この程度なら平気だ。
「じゃあ休憩がてら、来月に行う薬草採取の校外実習について説明するね〜。へばっててもいいけど、耳だけはこっち向けててねえ」
「校外実習……?」
生徒達はぐったりしつつも、先生の言ったその授業が気になって仕方がない様子だった。イラムール先生は急に真面目な顔をして、
「諸君、班はもう決めたかな」
「…………」
ごくり、と誰もが息を飲む。
早々に班を作った人達は余裕ぶった顔をしているが、そうでない者達の蒼白(そうはく)な表情ときたら……私もまた然り。
「来月の薬草採取の校外実習は、一年生最初の班活動でもある。成績にも大いに関わるから、皆張り切って取り組むように。あ、班をまだ申請していない人達は、あと一週間しかないから急ぎなよ。班員が集まらなかったらこっちで勝手に決めちゃうから。……では授業を始めます。教科書の22ページを開いて。はい、そこ寝ない!」
ナタンは意外とちゃんと先生してる。投げたチョークも寝ていた男子生徒の額に命中し、パチパチ拍手が起こっていた。

実習が終わりアリアと共に教室を出ると、あのベアトリスが廊下で待ち伏せていて、
「ごきげんようルキア・テネーブル。あなたまだ班員が集まっていないのですって? ありえませんわ〜」
軽快に髪を払いながら嫌味を投げてきた。
彼女の周りには班員と思われるメンツが揃っている。
綺麗に名門の出身ばかりで、授業中でも優秀っぷりを発揮しているメンバーだ。
えーと、取り巻きの令嬢二人と、同じアキル家の男子が一人と、アキル家に仕えている執事の男子が一人。名前はまだ覚えていない。
「言ってなさい。こっちはギリギリまでメンバーを秘密にしているだけよ。班員を装飾品のごとくひけらかす趣味は、私にはないの」
「な……っ!?」
取り巻き達が「装飾品だなんて失礼だわ!」とか「強がっていられるのも今のうちよ!」とか言ってるけど、私は無視してその場を去る。
「ルキア、あんなこと言っていいの? 班員、まだ揃ってないよ」
「ハッタリよハッタリ。いちいちつっかかってくるのがムカつくの。あーでも……」
アリアの言う通り、残り一人の班員が、どうしても見つからない。
私がベアトリスと対立してしまったからか、女子の大部分はあちらについている。
男子達は召喚した使い魔を重視している者も多く、カラスを召喚した私は論外ってことなんだろう。
「これはもう、作戦会議が必要ね」

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設定タグ:オリジナル , 転生 , 魔法学校   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:オムとセナときどきパール | 作成日時:2019年12月19日 17時

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