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第六話 使い魔召喚の儀 ページ11

「僕はユアン。他にいくつか呼ばれ方はありますが、ユアンで結構です。肩のこの子はフリン。あらかじめ名のある使い魔、すなわち “名付き使い魔” であり、属性は【氷】と【風】のダブルエレメンツ。僕の授業をサポートしてくれる知恵の象徴です」
口調は穏やかで、表情も常ににこやか。
それに、ダブルエレメンツの使い魔はとても珍しい。確か、不死鳥のフリンは、かの有名な千年前の魔術師である〈桔梗の賢者〉の使い魔だったと本で読んだことがある。
先生はまず、机の上に銀製のゴブレットを置いた。
「魔法とは、第一呪文と第二呪文によって発動します。この学校の入学試験に合格した優秀な皆さんなら、すでにご存じでしょう。例えば、僕の場合……」
そして、手をゴブレットにかざし、
「メリ・シス・ユアン―――水よ」
正しく呪文を唱えると、何も入っていないはずのゴブレットから、水が(あふ)れ出た。
簡易な魔法であり、ユアン先生からすれば無詠唱で行使できる魔法だろう。
「メリ・シス・ユアン。この部分が第一呪文になります。第一呪文は “自らの魔力を解放させる” 呪文であり、魔法の扉を開ける〈鍵〉と呼ぶこともあります」
そう。第一呪文は自分の名前を含め、各々が勝手に設定することができる。私の場合、ルキアと名付けてもらってすぐ、父に作ってもらった。
「ただし一度これを決めたら一生変更することはできませんし、自分の魔力を開ける〈鍵〉とは、基本的に一つです。例外はありますが。……ゆえに、どんな魔法を行使するにも、この第一呪文が必要になってきます。無詠唱で魔法を使う時にも、心で必ず唱えるもの。自らの名の下に、責任を持って魔法を使うと、世界に誓うのです」
また、第一呪文は魔法学校に入る際に皇国に提出しなければならない。
これが魔術師としての身分証明にもなるのだ。
「第二呪文は “魔法の内容を指示する” 呪文。魔法によっては推奨定型文のある呪文もあれば、各々が使いやすいようアレンジした呪文もあるでしょう。簡単な魔法や手慣れた魔法であれば詠唱を(はぶ)くこともできますし、一方で複雑な魔法になればなるほど、第二呪文の重要度は増してきます」
第二呪文でできることの内容は、各々の力量と鍛錬(たんれん)、知識で変わってくる。
そして世界に宿る魔法の力を、どれだけ理解し、信じているかということ……

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設定タグ:オリジナル , 転生 , 魔法学校   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:オムとセナときどきパール | 作成日時:2019年12月19日 17時

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