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「まぁ、もう何となく察してるとは思うが……。Aちゃんは、ただの人間じゃねェ。

絶滅したとされる、宇宙一の回復力と視力を持った『雷獣』という希少な種族と地球人の半天人なんだ」

「半天人…ですかィ」


近藤は頷き、言いにくそうに俯いた。


「あの子が何も言わなかったのは、雷獣の体があらゆる薬になるせいで、いろんな犯罪組織に狙われるからだ。血は傷を治せるし、他のどっかの部位は寿命を延ばすとか…。

あの子の体は天人寄りで、生粋の雷獣とほとんど同じ効果が得られるだろうって話だ」

「…なるほどねィ」


確かにそれは人に話せることでは無い、と沖田は納得した。

そんな種族の血を引いているなら、富豪にしろ犯罪組織にしろ、腐った輩が躍起になって手に入れようとするのは疑いようもない。

純血でないにしろ、ほぼ同じ効果を得られるなら尚更だ。


そこまで考えて、沖田はハッと目を見開いた。


「血――…」


脳裏には、以前斬り込みに入り、瀕死になった隊士たちを助けた後のAの様子が浮かんでいた。

続いて浮かんだのは、異常なまでに血の臭いが充満していた彼女の部屋の光景。


(まさか――)


「……近藤さん」


カラカラに乾く喉は、思った以上に低い声を沖田に発させた。


「以前斬り込みで隊士が死にかけた時……。

あいつは、自分の血を使って治したんですかィ」

「………」


近藤は黙ったまま沖田を見つめていたが…、静かに頷いた。

沖田の目が一瞬見開かれ、彼は顔を俯かせる。膝の上に置かれたその両手は固く握りしめられていた。


「…どこ、斬ったんですかィ。あいつは」


聞きながらも、沖田は何となくその答えを分かっていた。

部屋中に張られていたビニールと、充満していた血の臭い。戦場に立つ者でなくとも容易に分かる、大量の血が流されたその証。

だが、それを信じたくないだけに確認したかったのだった。


近藤は暫く黙りこくっていたが、ごくごく小さく、ほとんど口の中で呟くようにして答えた。


「――頸動脈だ」


しん、と部屋に静寂が落ちた。

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伽那 - 一言で言うとこれめっちゃ好き (2019年11月26日 22時) (レス) id: dad38348f0 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 沖田総悟さん» ありがとうございます!!もう!受験早く終われ!!!(泣)じわじわ更新ですが頑張ります! (2018年1月5日 8時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
沖田総悟 - とっても面白かったです!!キュンキュンもするし、見ながら泣きました‥。更新がんばってください!そして、受験ガンバってくださいね!!応援してます!! (2018年1月4日 19時) (レス) id: b86e1fcd7d (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - にんじん  さん» あぁありがとうございます!!(泣)あと9日なんですよねー……ハハ。頑張ります! (2018年1月4日 14時) (レス) id: e79ecf6629 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん   - 受験頑張ってください!応援してます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年9月29日 20時

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