真選組専属医師の悩み３【沖田総悟】

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ズキズキと頭が痛んで、目が覚めた。

こめかみの辺りがうずくような不快なそれによる目覚めなんて、ここ数年は感じなかったもので、全くもって不快極まりない。

おまけにぎしりと身体の節々が痛む。が、その理由は勿論すぐに分かった。


そっか。昨日あのまま、結局寝ちゃったんだ。


座り込んだまま寝るなんて、我ながら器用なことをやってのけたもんだな。なんて思いながら、身体ほぐしも兼ねてゆっくりと立ち上がって伸びをする。

縁側の障子を開けると、まだ夜明け近くのようだった。


普段ならこのまま起きて、いつもの仕事に入る所なのだが、今日はそんな気分になれない。

何より今は、誰にも会いたくない。


……いいや。今日はサボろう。

いつも真面目にやってるし、お説教くらいで済む筈。…多分。


「…お風呂、入ろ…」


ぽつりと呟いてから、浴室へ直行する。

そして鏡に映り込んだ自分を見て、顔をしかめてしまう。


「ひっどい顔」


表情は暗いし泣いたのが分かるし、何かもう最悪だ。こんなので皆に会ったら質問攻めにされてしまう。

重い気分のままシャワーを浴び終えて、いつもの恰好をして部屋に戻り、今からどうしようかと考える。


このまま部屋にいたって、どうせ誰かと顔は合わせるし……。外に行くしかないけど。

どこ、行こう。


一瞬万事屋が頭に浮かんだけれど、すぐに頭を振った。せっかく相談に乗ってもらったのに、無駄になったなんて知らせをしたくはない。

かと言って散歩しても、見回りの隊士たちと鉢合わせる可能性がある。


誰も知らない、私だけしか知らないような場所に行きたい。


そんな事を考えていて、ふと思いついた。


…あそこなら、誰も知らないかもしれない。


すぐに立ち上がって、「散歩に行ってきます」という書置きだけを残して色々準備してから、塀を乗り越えて外に出る。

それから、まだ誰もいない、朝特有の涼しい空気に満たされた道を真っ直ぐ歩いて、そこへ向かった。

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