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依頼人に猫を渡して、新八君が淹れてくれたお茶を飲んで一息吐く。


「いやあ、Aさんが仕事手伝ってくれるようになってから、実入りがよくなりましたね」

「何言ってんだ、それもこれも銀さんのお陰だろ?」

「いやアンタは寝てただけだろ」


何処から取り出したのか、『糖』と書かれた扇子で顔を扇ぎ、銀さんは椅子でふんぞり返る。


「新八の言う通りネ。それにAの作る料理も絶品ヨ。ヤ〇ザ料理最高アル」

「神楽ちゃん違うから。そんな犯罪臭半端ないヤツじゃないから。『薬膳料理』ね」


新八君のツッコミ炸裂。流石です。


「うふふ、実は銀さんの糖尿病の危機も避けられるようにしてあるんだよね〜。だからってそれに安心してもらっちゃ困るけど、多少はマシだと思うよ」

「すみません、そんなことまでやってもらっちゃって」


申し訳なさそうにする新八君に私は首を横に振る。


「ううん、いいの。こっちが迷惑かけちゃってるんだし、それくらいは当然だよ。それに……」


何かしてないと落ち着かなくて、という言葉を慌てて飲み込む。

真選組を飛び出してもう十日。早くもホームシックだなんて、口が裂けても言えない。


何だかんだで、やっぱり私はあそこが好きなんだなぁ。


少しアンニュイになっていると、神楽ちゃんが抱き付いてきた。


「それじゃあ迷惑ついでに就職すれば良いアル!私大歓迎ヨ!」

「ありがとう神楽ちゃん」


強めに抱き締め返すと、神楽ちゃんは嬉しそうに笑う。


可愛い……。天使だ。


そうやって神楽ちゃんと戯れていると、不意に視線を感じた。見てみれば、銀さんが私をじっと見つめていた。


――何だろう?


「…じゃ、使えない従業員以上に役に立つ居候に、ちょっとしたご褒美やるか」


銀さんは憎まれ口を叩いて立ち上がると、私を手招きして外に向かう。


「ちょっくら外出てくらァ。お前らは留守番な」

「えぇーっ!銀ちゃん狡いアル!私も行くネ!」

「残念ながら一人以上奢る余裕はねェよ。待ってろ」


…ああ、そういうことか。


「神楽ちゃん、また今度二人で遊ぼ?」


そう言うと、「Aが言うなら……」と神楽ちゃんは渋々引き下がった。


「それじゃあ行きますかね」


下に停めてある原チャリの前に来ると、銀さんはヘルメットを私に投げて寄越した。


「…はい」


わざわざ神楽ちゃんと新八君を置いてまで私と二人になった理由を、察せられない訳がなかった。

【作者より】→←19



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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時

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