21 ページ21
・
YG「今何時？」
NJ「もう18時ですよ、ヒョン。時間もわからなくなるまで作業して…まったく。」
YG「わりぃ。」
久しぶりの外の空気を胸いっぱいに吸い込む。
デビューしたらこんな風に歩けなくなる日が来るんだろうか。
ナムジュンと肩を並べて、宿舎までの道を歩く。
季節は春だというのに、夏のようにじめじめと暑い。
時々吹く風が少しだけその気持ちを和らげてくれる。
たくさんの店が並ぶ通りで、客寄せをする声が至る所から聞こえる。
俺の夢が叶ったら、確かあいつは飯でも奢るって言ってたな。
繋がっていたはずなのにもう手の届かないあいつと、いつかまたどこかで会えるんだろうか。
美味しそうな匂いに釣られそうになるけど、宿舎にはヒョン自慢の料理が待っている。
あー、腹減ったな。
飯は何だろう、なんて考えながら歩いていた時のことだった。
風がまた吹いて、すれ違った女の髪もサラサラと髪をなびかせた。
見間違いか？
会いたいと思いすぎている、俺の幻覚か？
すぐに振り向いて、俺とは逆方向に歩いていく後ろ姿を見つめる。
栗色の髪の毛は肩を少し過ぎたくらいまでの長さ。
その女の耳元に見えた、コンパスのタトゥー。
YG「A、」
久しぶりに呼んだ名前、自分でもわかるくらいに声が震えて。
引き留めるには小さすぎる声。
その後ろ姿を見つめたまま足を止める。
そしてそのまま人混みに紛れて、消えた。
NJ「ユンギヒョン？知り合いですか？」
YG「いや。見間違い…だと思う。」
NJ「ふぅん。ほら急がないと。」
YG「あぁ。」
あいつのほかにあのタトゥーを入れてるやつは知らない。
あれがあいつの印。
どんなに容姿が変わろうとも、あれだけは変わらないはずなんだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ro(プロフ) - パールさん» きゅんきゅんしていただけてよかったですー！ありがとうございました^_^！ (2018年5月16日 7時) (
レス) id: a5308edabf (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - すごく面白かったです！キュンキュンする場面が多くて表情管理大変でした笑素晴らしい作品ありがとうございます！ (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5f91a6eaeb (このIDを非表示/違反報告)
ro(プロフ) - ＃はるさん» ありがとうございます！自分の書きたいがままに書いているので…そう言っていただけて嬉しいです！完結までぜひお付き合いください。 (2018年5月11日 17時) (レス) id: fa768e231f (このIDを非表示/違反報告)
＃はる - とってもおもしろいです！もぅ、胸がキュンキュンしたりしめつけられたり...w更新頑張ってください！ (2018年5月10日 23時) (レス) id: 322e3cca86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ro | 作成日時：2018年5月8日 17時
