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「適当に座って。」
ぶっきらぼうな言葉の主のわりには、部屋はとても綺麗。
一部のスペースだけが、異様に散らかっているけど。
「ミンユンギ…。」
勉強した形跡も無いようなきれいな教科書に名前が書いてあった。
YG「あ？」
「ねぇ。ミンユンギって、同じクラスのミンユンギ？」
YG「…今更？」
寝ているところの記憶しかない。
いつも斜め前の席で、机に伏せている後ろ姿。
顔なんて、今見たところでわかるわけなかった。
YG「キムA。」
「え？」
YG「俺はお前のこと知ってたけど。」
「あぁ…よくご存じで。」
YG「それ、何の意味があんの？」
耳の裏を指さされ、ドキッとした。
髪を下ろしているから知られないはずなのに。
学校にも行かずに必死でバイトして稼いだお金で、初めてタトゥーを入れた。
コンパスのタトゥー。
意味なんか知らなかった。
彫り終わった後に、これがあれば道には迷わないよ、とあの彫り師さんが言っていたけど。
結局わたしは人生の方角もつかめぬまま、身を投げ出そうとしたのだから、これは無意味だ。
「意味なんて、ない。」
YG「へぇ。」
「…入れたいの？」
YG「全然興味ねぇよ。入れるやつも理解できない。」
「…あっそ。」
じゃあなんでわざわざ聞いたんだ。
1時間もこの人と居ないけど、めんどくさい男だとすぐにわかった。
「…ラップ？」
YG「あ？…勝手に見んなよ。」
手に取った紙をとっさに取られる。
見られるように置いてるのそっちじゃん。
いかにもこの人らしい、挑発的な言葉が並べられた紙だった。
そういうことは言いそうだけど、こんな風に書いたりするようには見えない。
とにかく寝てるイメージが強すぎる。
「歌うの？」
YG「別に。」
耳まで赤くして。
歌ってるのバレバレ。
YG「勝手に人の部屋漁んなよ。」
「漁ってないし。」
YG「てかなんでここにいんの。」
「…はあ？あんたが連れてきたんじゃん。」
YG「あぁ、そうだった。」
「…変な人。」
本当に何言ってんだか、この人。
そう思って笑うと、こっちを凝視している。
YG「…お前、笑えんじゃん。」
「…は？」
YG「笑えんなら、まだ死ぬには早いな。」
そう言って、笑ったその人はとても優しい笑顔をわたしに向けた。
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ro(プロフ) - パールさん» きゅんきゅんしていただけてよかったですー！ありがとうございました^_^！ (2018年5月16日 7時) (
レス) id: a5308edabf (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - すごく面白かったです！キュンキュンする場面が多くて表情管理大変でした笑素晴らしい作品ありがとうございます！ (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5f91a6eaeb (このIDを非表示/違反報告)
ro(プロフ) - ＃はるさん» ありがとうございます！自分の書きたいがままに書いているので…そう言っていただけて嬉しいです！完結までぜひお付き合いください。 (2018年5月11日 17時) (レス) id: fa768e231f (このIDを非表示/違反報告)
＃はる - とってもおもしろいです！もぅ、胸がキュンキュンしたりしめつけられたり...w更新頑張ってください！ (2018年5月10日 23時) (レス) id: 322e3cca86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ro | 作成日時：2018年5月8日 17時
