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日が暮れだした頃にビルに戻った。
ガランとしていて、人気のない場所。
「いるわけないか。」
自分の声が響いた。
今日はユンギと話したいと思ってバイトを休んだ自分が馬鹿に思えてくる。
私の存在がなんだっていうの。
ユンギにとっては、友達、いやむしろそれ以下かもしれない。
死にたがっているところを助けてもらい、卒業できないかもしれないと勉強に付き合わせ、居場所もなければ可愛げもない。
ユンギのように誰かに語れる夢もなく、明日からだって何をするか決まってないような女。
ビルに置き去りにされたままの、脚ががたがたと不安定なテーブル。
ここでいつもユンギは、書きにくいだの、うるさいだのと小言を言いながら作曲していた。
「ん？」
そのテーブルに小さな袋が置いてあって。
私のものじゃなければ、きっとユンギのものだろう。
袋を逆さにすると、付箋のついたコンビニのおにぎりが２つ入っていた。
″今日で最後だから家族で飯食う、一緒にいてやれなくてごめん。明日出発前に顔出す。″
ぶっきらぼうな言葉なのに、きれいに書かれたその文字。
おにぎりはほんのり温かい。
きっと温めてきてくれたんだ。
付箋の文字が滲んでいく。
優しくなんか、しないでよ。
明日からいないくせに。
私は明日からどうしたらいいの？
一人でも大丈夫だったし、これからもこうして生きていくはずだったのに。
ユンギと過ごした２ヵ月がまるで夢のように感じる。
もしこれが夢なら、終わらないでほしいと願ってしまうだろう。
「っ…梅干し食べれないって言ったのに…。」
涙の味がするおにぎりは、私の嫌いな梅干し。
食べるころにはすっかり冷めていて、それでもおいしく感じるのはきっとユンギの優しさのせい。
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ro(プロフ) - パールさん» きゅんきゅんしていただけてよかったですー！ありがとうございました^_^！ (2018年5月16日 7時) (
レス) id: a5308edabf (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - すごく面白かったです！キュンキュンする場面が多くて表情管理大変でした笑素晴らしい作品ありがとうございます！ (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5f91a6eaeb (このIDを非表示/違反報告)
ro(プロフ) - ＃はるさん» ありがとうございます！自分の書きたいがままに書いているので…そう言っていただけて嬉しいです！完結までぜひお付き合いください。 (2018年5月11日 17時) (レス) id: fa768e231f (このIDを非表示/違反報告)
＃はる - とってもおもしろいです！もぅ、胸がキュンキュンしたりしめつけられたり...w更新頑張ってください！ (2018年5月10日 23時) (レス) id: 322e3cca86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ro | 作成日時：2018年5月8日 17時
