恋しませんか？ (ページ13)

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NJ「雨ひどいなー。」

YG「すげぇ音。」

ダンス練習をしているスタジオから、廊下に出ると雨の音が聞こえた。

窓から外を覗くと、大粒の雨。

雨の日は、彼女を思い出す。

あの日、傘を貸してくれなかったらこんな気持ちを知らないままでいたんだ。

例えそれがうまくいかなかったとしても、あの気持ちは忘れたくなかった。

JM「ジョングガ、」

隣の窓を見ていたヒョンに名前を呼ばれ、手招きされた。

JM「あの傘、ヌナのじゃない？」

「…本当だ。派手ですね、やっぱり。」

JM「派手だけど…傘さしてるの、子供だよ？」

俺らのビルの向かいにあるファミレスから、レインボーの傘を開いて待っている子供の姿が見えた。

あれは確かに、俺が借りた傘だと思う。

少しすると、入口がまた開いて、赤い傘を開こうとする彼女の姿が見えた。

最後に見たときと同じように、パーカーにデニム姿。

そして２つの傘は並んで、たくさんの傘の中に消えていった。

JM「あれ、まさか、子供？」

JK「…わかんないです。結婚、してたんですかね。」

JM「それじゃあジョングガの告白も断るわ。」

ジミニヒョンはそう言って俺の肩を叩いて、みんなの元に戻って行った。

結婚して、子供がいたとしたら、

あの日子供の傘を持っていた理由も繋がる。

でも何回か彼女に会ったけど、そんな雰囲気を感じなかった。

名前と歳しか、彼女のことを知らない俺。

家に送っていった時も、俺の話ばかりだった。

彼女の"ごめんなさい"の意味を、ちゃんと知りたい。

いるかもわからない。

それでも練習が終わって、まだ雨が降り続く夜。

自然と足は彼女のもとに向かっていた。

雨のせいかいつもより暗い暗闇の中に、明るいガラス張りのカフェ。

ずぶ濡れになりながらたどり着いた。

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